紅白初出場のこっちのけんとが“会見後”に語った意気込み「背伸びしている自分を…」
YouTubeで長文の「概要を書き始めた経緯」
――YouTubeのコメント欄が集会所になっているということですが、概要を読むと「日々SOSを出す癖をつけたいと思い制作しました」など、制作意図が長文で明記されています。概要にここまでの注釈をつけるアーティストはめずらしいと思ったのですが……。 こっちのけんと:「はいよろこんで」は、聴き心地でただただ楽しめる曲にしようという目標がありました。でもただのノリだけだとそれは僕がやりたいことと違うなと思ったのも事実です。僕の経験をしっかり明記したほうが曲をより楽しめると思いました。その上で気づいてくれる方に向けて、プラスアルファになることがあればと思い、概要を書き始めた経緯があります。 ――集会所としての役割ですね。デジタルリリースの時代でも、ひとつのライナーノートを読んでいるような。 こっちのけんと:たしかにアナログ的でもあります。純粋に曲だけを楽しんでいただくことはもちろんですが、元はといえば、さまざまな事情を抱えた方が連絡を下さり、そうした自分のうしろにいる方たちに向けた曲作りです。過剰に情報を入れて蛇足気味になったとしても、伝わりきらないところを補完したいなと思いました。
みんな大嫌いな月曜日を乗り切る方法
――概要の文章とともにかねひさ和哉さんが手掛けたアニメーションのミュージックビデオもユニークです。 こっちのけんと:僕が勝手にかねひささんのファンなんです(笑)。最初は実写で考えていたんですが、いいアイデアがなくて何がいいかなと考えていたら、不意にかねひささんの絵が浮かびました。それでダメ元でお願いしたら、こころよく引き受けてくださいました。 ――サザエさん症候群がテーマのひとつに盛り込まれていますね。 こっちのけんと:ストーリー性があり、一人の人間の中で起こっているメロディーを描くミュージックビデオにしたいなと思ったので、かねひささんにはサザエさん風味で、馴染みのある映像をリクエストしました。さらにサザエさん症候群なら、僕の中では一番身近な抑うつ状態のテーマを表現できるのではないかなと思いました。 ――『ちびまる子ちゃん』のあとに『サザエさん』の放送があり、他局ですが2017年まで放送されていた『報道ステーション SUNDAY』までくると……。 こっちのけんと:ワハハ。そうなんですよ、土日のあとの現実がきちうゃんですよ(笑)。 ――みんな大嫌い月曜日を乗り切る方法はありますか(笑)? こっちのけんと:僕は逆に日曜日から仕事モードなんです(笑)。昔、サラリーマン時代、土曜日は休んで、日曜日は月曜日の準備日という教育の会社だったからです。それが体質的に合っていたのかもしれません。 でも不思議なんですよね。『ちびまる子ちゃん』も『サザエさん』も日常的な映像なのに、見ていると非日常を感じる。そういうギャップがある映像を目指したところはあります。 ――それによって現実の月曜日嫌いがちょっとだけ忘れられるというか。 こっちのけんと:そうですそうです。ちょっとふわっと浮いたようになればいいなと思っていました。