紅白初出場のこっちのけんとが“会見後”に語った意気込み「背伸びしている自分を…」
「人生をかけて目指すべきものが一気に手元にきた感覚」
――THE FIRST TAKEでも収録した「はいよろこんで」は、毎日検索するごとに総再生回数が日々更新されています。そうした大ヒットを受けて、トラックタイトルが新語・流行語大賞にノミネートされました。5月にリリースした段階で、これほどのヒットナンバーなるという確信はありましたか? こっちのけんと:ここまでいいものができたという自信はあったので、ある程度リアクションがあるだろうとは思っていました。でもまさかここまで再生回数が伸びる曲になるとは思っていませんでした。 ――今の実感はどうですか? こっちのけんと:ここにきて人生をかけて目指すべきものが一気に手元にきた感覚です。5月からずっと突っ走ってきたので、あとはご褒美を食べるだけという実感はあります(笑)。
「死ぬな!」と「はいよろこんで」は、つながっている作品
――2022年リリースの2ndシングル「死ぬな!」のバイラルヒットも自分の中での勢いになりました? こっちのけんと:そうですね、なんとなく方向性が定まりました。僕が作る楽曲は、自分の人生を元にしたものです。誰かに向けて歌いながら、プラス自分に向けて届けています。 だから自分に向けて歌いながら、その後ろにたくさんの人がいるイメージです。こっちのけんととして何が正しい行いなのか、2022年のバイラルヒットは、ゆっくり考えだした時期でした。 ――それは楽曲のテーマも含めてですか? こっちのけんと:そうです。生きるとか死ぬとか、命に関わること。精神的な部分として、普段から考えているものを音楽にすると届けやすいと思いました。双極性障害の僕の内面的なところからこそ言えることがあると思って模索していました。 ――曲を通して内面性を開示、提示していく中で、リスナーとの対話になった感触がありますか? こっちのけんと:あります。YouTubeのコメント欄には、同じような悩みを持った方たちがさまざまに書き込んでくれます。それはどこか集会所というか相談所みたいになっています。そういう形を見ていると本当に作って良かった、自分の行いがきっかけになって誰かが元気になっているんだなと実感して自分の力になっていますね。 ――具体的にどんなコメントがありましたか? こっちのけんと:「死ぬな!」のときには、現在進行形で自殺を考えている方から相談がありました。自殺の仕方も考えていると書いてあり、それを自分が救うというよりは、同じ経験をしていた僕も自分の話をしてやり取りをしました。その方は今も生きてらっしゃいます。 ――生きてこそ、また「はいよろこんで」のようなヒット曲を聴くことができますね。 こっちのけんと:そうです。「死ぬな!」では、SNSを通じて連絡やダイレクトメッセージが何百件もきていた現状がありました。それに対してとりあえず「死ぬな」と伝えても無理難題です。じゃあ今後どうやって生きればいいんだと思ってしまう。「はいよろこんで」でそれをさらに補足しました。自分の中ではつながっている作品という感覚があります。