桐山漣“光星”が 伊原六花“優香”と付き合う事にしたのは歪んだ感情からだった…光星の過去が明らかに<肝臓を奪われた妻>
伊原六花主演のドラマ「肝臓を奪われた妻」(毎週火曜夜0:24-0:54、日本テレビ系/Huluにて配信)。5月28日放送の第9話は、優香(伊原)の元夫・光星(桐山漣)の目線でストーリーが進行。光星が優香と出会ったきっかけ、そして彼女に歪んだ感情を持っていく過程を視聴者は知る事となった。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】何を考えているのかわからない、感情の無い目の光星(桐山漣) ■肝臓を奪った元夫とその家族への復讐と共に、再び愛を信じて生きていく成長物語 本ドラマは、LINEマンガで配信中の、国内累計閲覧数が1億3300万ビュー(※2024年2月時点)を超える大人気の同名ウェブトゥーンが原作。自分がただの肝臓移植のための道具だったと知った優香が、肝臓を奪ってすぐに自分を捨てた夫とその家族に復讐の炎を燃やすストーリー。 しかし、ただの復讐劇ではなく、他人を信じられなくなった自分を支える周りの人々や守るべきわが子のために、再び愛を信じて前を向いて歩いていく優香の成長物語にもなっている。 ■寂しい幼少期を過ごした光星 光星が優香と出会ったのは、彼女のバイト先の飲食店。母・聖子(櫻井淳子)の病状が深刻だと知り無力感にさいなまれながらカウンターで一人飲んでいた彼の様子を心配して「大丈夫ですか?」と声を掛けたのが、店員の優香だった。 光星は、幼い頃から父親の居ない家庭で育ち、自分を置いて夜な夜な男性と出掛けてしまう聖子に寂しい思いをしていた。聖子は己の欲望を優先させる女性だ。光星が大財閥の令嬢のるり子(水崎綾女)と付き合い始めた時も、彼女の実家の財産をあてにした贅沢な生活を夢見て、結婚を願った。 そこに“息子の幸せを願う母の愛情”が無い事は光星もわかっていたはずだ。だが、置いていかれて寂しかったトラウマを抱える彼は、理由は何であれ母が自分を必要としてくれる事がうれしかった。 そんな中、るり子が妊娠。彼女との結婚を確信した光星は、青写真通りに進んでいる人生に手応えを感じていた。だがその矢先、聖子の病が発覚。光星も弘子も移植ドナーとして適合せず、適合者が現れるまで待つしかない状態だった。 「ママが死ぬ。また一人で置いてかれる…」と絶望する光星が、自分を気遣ってくれた優香に引かれるのも無理はない。彼を心配してくれる者など、彼の周りには居なかったのだから。光星は、優香の店に通い始めた。 ■苦しい生活でも「恵まれてる」と言う優香に光星は… 親しくなり、話をする中で、優香が自分と同じ母子家庭で育った事を光星は知る。経済的に苦しく、大学進学も諦めて早く自立して母を支えようと懸命に働く前向きな優香と、自分の現状を「何も与えてくれないくせに奪う事ばかりの神様は不公平だ」と嘆いているだけの光星とは正反対だ。 優香は、母は仕事が忙しくても優香の学校行事には来てくれたし、母の愛情も感じている。だから、私は恵まれてるのだと言った。光星は自分が聖子に望んでも手に入らなかったものを優香が持っている事が妬ましかった。そんな彼の心の闇に気付かない優香は更に追い打ちをかける。「だから、愚痴を言ったり不満に思ったりしたら罰が当たる」のだと。 光星は、自分が抱える不満が聖子を病気にしたのだ、と言われている気がして、やり場の無い気持ちを抱えた。不幸なクセに「恵まれてる?」「満足してる?」…そんなわけないじゃないか。彼女の純粋さは光星を傷つける。彼は、優香に自分が感じているような負の感情を味わわせてやりたい、きれい事だけでは生きていけないと思い知らせてやりたい、と思った。そんな歪んだ想いで、光星は優香に交際を申し込んだのだった。 ■純粋な優香を傷つけたい 光星の思惑など知る由も無い優香は、幸せいっぱいで“優しい”光星と結婚した。人を疑う事を知らず、「家族なんだから当然」と大事な肝臓も与えてしまう優香に、“奪うか奪われるか”でしか物事をはかってこなかった光星は困惑し、いつまで経っても純粋な彼女にさらにいら立った。 肝臓を奪った途端に優香を捨て、この世の厳しさを思い知らせてやったと満足し、もう2度と会う事はないと思っていた光星だったが、5年後にまさかの再会。そして、5年経ってもまだ自分を信じようする純粋さを持っていた優香に驚き、あきれながらも優香の事が再び気になり始めた。 ■愛し方がわからない光星の歪んだ愛の形 そして、探偵を使い優香の動向を探るうち、優香が自分たちに復讐を始めた事を知った光星は、やはり不幸な状況下で清廉潔白を貫ける人間など居ないのだ、自分の考えが正しかったのだ、と高笑いするのだった。 優香がダークサイドに堕ち、自分と同じ側に来たと感じた光星は、「今なら分かり合える」と、再婚を提案した。だが実際のところ、理由なんてどうでも良くて、光星は優香と居たいのだ。愛されずに育ったせいで愛し方を知らない彼は、優香に対する感情が何なのか分かっていないのだ。 再会以来ずっと優香に執着し、小栗(戸塚純貴)と楽しそうにしている姿を見て嫉妬(とは本人は思っていないが)し、口実を作っては接触してくる…どう考えても好きな女性に対する行動だ。歪んだ愛し方しかできない光星も、ある意味。可哀想な人間だ。 ■一度は優香を諦めようとした小栗だったが… 一方、優香を諦めようと努力した小栗だったが、やはり好きな気持ちは止められず、自分の思いを貫く事に。次回、光星に「優香に近づかないでほしい」と告げ、「ほっといてほしい」という優香にも、「わかってくれるまで言い続ける」と想いをぶつけるようだ。もう復讐などやめて、光星の目の届かない所で、小栗と結人(近江晃成)と暮すのが、優香にとって一番の幸せだと思うのだが…。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部 ※桐山漣の「漣」のしんにょうの点は一つ