ベルトを巻いた栗秋祥梧（中央）の手を上げるKNOCK OUT＆クロスポイント吉祥寺の山口元気代表

＜KNOCK OUT 2024 vol.5：後楽園大会＞◇12日◇東京・後楽園ホール 　メインイベント（第10試合）でKNOCK OUT－BLACKフェザー級（57・5キロ）王座決定戦3分3R延長1Rが行われ、栗秋祥梧（29＝クロスポイント吉祥寺）が延長判定2－1で、戦闘民族「イ族」からの刺客チュームーシーフー（22＝中国）との大接戦を制して新フェザー級王者に輝いた。 　試合は序盤からチュームーシーフーが積極的に前に出て圧力をかけ、栗秋がカウンターで応戦する展開に。途中までは手数で勝るチュームーシーフーが押し気味に試合を進めたが、3R終盤に一発のある栗秋のパンチがチュームーシーフーをとらえ、ぐらつかせる場面も。3Rを終えた時点での判定はチュームーシーフーの1－0で延長に突入した。 　延長では栗秋が3R終盤からの流れにそのまま乗り、渾身（こんしん）の右ミドルキックを何度もたたきこんだ。チュームーシーフーもパンチで応戦したが、気持ちを見せた栗秋が延長判定2－1でうれしい戴冠を果たした。 　試合後のマイクでは家族や関係者への感謝の前に「ベルト取ったけど、もう1回、もう1回だけチュームー選手、戦いましょう。どっちか倒れるまでがKNOCK OUTだと思ってるんで。俺もちゃんとKOできるように、また練習頑張っていきます」とチュームーシーフーに再戦のチャンスを与えた。 　栗秋は今大会の事前インタビューで「勝っても負けても、立ち技はもういいかなって感じなんですよね。飽きました（笑い）」と話し、今後は「UNLIMITEDルール（ヒジ打ち、パウンド、サッカーボールキック、踏み付け、グラウンドでのヒジ・ヒザありと、MMAから関節・絞め技と寝技を省いた究極打撃格闘技ルール）」一本でやっていきたい意向を示唆していた。 　だが試合の前日会見では「UNLIMITEDで試合をしつつ、二刀流でやってもいいだろうし。会長に任せます」と、王座を獲得したあかつきには二刀流に挑戦する可能性にも言及した。いずれにしても、この日の試合後、すぐにチュームーシーフーに再戦のチャンスを与えたことで、少なくともあと1試合はキックの試合を行うことが確定した。【千葉修宏】