呉の昭和高で最後の卒業式 1983年に開校 6864人を送り出す
広島県呉市焼山町の昭和高で2日、最後の卒業式と閉校式があった。本年度の卒業生63人を含め計6864人を送り出し、41年の歴史に幕を閉じた。 【写真】呉の昭和高で最後の卒業式(4枚) 同校体育館であった卒業式では、生徒一人一人の名前が呼ばれた後、藤本秀穂校長が代表生徒に卒業証書を手渡した。「これからも感謝の気持ちを持って、人として成長し続けてほしい」と言葉を贈った。同校吹奏楽部の同窓生たち約50人による力強い演奏の中、生徒は保護者や地域住民たちによる拍手に包まれて退場。教室で担任教諭から1人ずつ卒業証書を受け取った。 最後の生徒会長を務めた浜本絆菜(はんな)さん(18)は「人数が少ないからこそ濃い思い出をつくれた。焦げちゃった肉を食べた夏のバーベキューは忘れられない。みんなと卒業できてよかった」と高校生活を振り返った。 同校は1983年に開校し、ピーク時には千人以上の生徒がいた。ただ、少子化などの影響で生徒数は徐々に減少。県教委は新入生の募集を2022年春から停止した。吹奏楽部の同窓生として演奏に参加した同校1期生の高木久美子さん(56)は「母校がなくなるのは寂しいが、最後にみんなと演奏できてよかった」とクラリネットを手に語った。
中国新聞社