「世界一小さな公園」“自称”からギネスへ 0.24平方メートル 静岡・長泉町が挑戦
道路建設の余剰地を有効活用するポケットパーク。長泉町には30年以上前から“自称”の「世界一小さな公園」をうたうポケットパークがある。町は2024年夏ごろから、公園を地域おこしに生かそうとギネス世界記録に挑戦。測量などの申請が通れば25年2月にも正式にギネス登録を受け、町の新たな目玉となりそうだ。 現在、世界一小さな公園としてギネス記録認定されているのは米オレゴン州のミル・エンズ公園(面積0・29平方メートル)。町は1988年、都市計画道路の建設を進め、余剰地に歩行者の休憩場所となる公園を整備していた。当時の担当職員が「ギネスよりも小さな公園を作ろう」と提案。中央保育園北西部に椅子と植物のある面積0・25平方メートルの「世界一小さな公園」が生まれた。 「世界一になり得る資源があるなら有効活用したほうが良いと思った」と話すのは、登録への準備を主導する町工事管理課の神山修二さん。24年12月、公園の正確な面積を出すための測量を行った。 申請には、専門的な資格を有する測量士による計測、証人2人が必要で、神山さんは沼津工業高の千葉智博教諭と沼津高専の芳賀多美子准教授に証人を依頼。測量では、測量士が地球上の水平位置や高さを求める際に必要な公共基準点から、公園四隅の角度と距離を1時間ほどかけて測定し、面積を算出。証人が確認して証明書にサインした。千葉教諭は「基準とずれがないかをチェックした。小さなスケールだけど、発想がおもしろい」と称賛。測定の結果、正確な面積は0・24平方メートルで、町の設定よりもさらに小さかった。
公園の思い出があるという芳賀准教授は「娘が小さい時に散歩で来ると、椅子に座って『私だけの公園』とうれしそうに言っていた」と振り返り、「夢がある挑戦。申請が通ってほしい」と笑顔を見せた。測量の様子を見守った娘の愛子さん(22)は「せっかくの機会だから来た。登録を受けるための検査は厳しいんだと思った」と話した。 町は24年秋まで、クラウドファンディング型のふるさと納税で登録費用を募集。同年中に寄付金を生かして申請し、ギネス認定が決まると25年2~3月に授与式を開く予定。神山さんは「世界一の称号が得られれば、新しい文化の土台や『地域の誇り』という付加価値ができるはず」と期待した。