高齢者の介護予防で市が新事業「hope」導入へ 短期間集中の通所型サービス【宇部】
宇部市は、新たな介護予防の取り組みとして、市短期集中予防サービス「hope(ホープ)」を導入する。生活機能や運動機能が低下し、自信や意欲を失ってしまった高齢者が、再び元の生活を取り戻せるよう、リハビリ専門職などの支援を受ける通所型サービスで、来年度の本格実施に向け、市内の4事業所で試行している。 市の介護認定率と介護サービス利用率が全国や県と比較して高く、介護サービス利用者の半数近くが要支援1から要介護1の軽度であることから、短期間で集中的にケアすることで自立した高齢者を増やすことが目的。 対象は要支援1と2の人、またはチェックリストで該当した65歳以上の人。加齢でできなくなったことを介護サービスで補うのではなく、元の生活を取り戻す支援を行うことが大きな特徴となっている。 試行サービスには、対象に当てはまる30人が参加。サービスの提供は週1回で、1回の利用時間は約2時間。3カ月後に目指す姿とその目標に向かって、専門職の指導を受けながら日々取り組んでいる。参加者には専用の「ホープノート」が配布されており、毎週の活動の成果を記すようになっている。 最終回に、市地域包括支援センター職員とリハビリ専門職、本人で目標達成ができているか、元の生活が維持できるかを判断。サービス終了後、1年間は定期的に同センター職員が生活の様子を確認するという。 市では同サービスの利用について、本人負担はないようにする考え。本格導入したときの利用者は月80人を見込む。高齢福祉課の河村敬寛さんは「運動機能だけではなく日常生活の活動量の維持が大事。試行の中で、サービス利用者の表情が変わった、意欲が増したという報告がある。多くの人が利用しようと思える制度にしていきたい」と話した。