「ヒーローなのにクセ強すぎ…」平成 『仮面ライダー』史に残る「2号ライダー」の曲者たち
「2号ライダー」は『仮面ライダー』シリーズにおいて欠かせない存在だ。現在放送中の『仮面ライダーガヴ』でも、主人公ライダーであるガヴに次いで2号ライダーのヴァレンが登場したことで面白さが増した。 ■【画像】「クセ強だけど美形すぎ…」『仮面ライダーフォーゼ』2号ライダーを演じた吉沢亮さん■ 現在は互いを「先輩」「後輩」と呼ぶほど良い関係性を見せている2人のライダーだが、ヴァレンである辛木田絆斗は、グラニュートに母や恩人を襲われた経験から深い復讐心を抱いているため、グラニュートと人間の混血である主人公・ショウマとの関係が今後気になるところである。 このように『仮面ライダー』シリーズにおける2号ライダーは、物語における重要人物であり、主人公ライダーよりも若干クセの強い者も多い。 そこで今回はそんな2号ライダーのなかでも、記憶に残る「クセの強いライダー」を振り返っていきたい。
■ヒーローらしからぬ曲者…『仮面ライダー555』仮面ライダーカイザ
冒頭で紹介したヴァレンのように、近年の2号ライダーの多くは1号ライダーと仲が良いイメージだ。しかし、平成仮面ライダー4作目『仮面ライダー555』に登場した仮面ライダーカイザ/草加雅人はまったく違った。 クリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」で、菊池啓太郎や園田真理、そして主人公・乾巧/仮面ライダーファイズと共同生活をするようになった草加。はじめこそ、好意を寄せる真理のために好青年を演じていた草加だったが、その本性は陰湿で自己中心的。従来の“ヒーロー”らしからぬ人物だ。 第16話「人間の心」では、“菊池”に戻ってきた巧に対して「俺のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ」という名言とともに本性をあらわにし、物語をかき乱し続けた。 また悪役のようにニヤリと笑う表情も印象的で、演じた村上幸平さんも草加のことを「ライダー史上最も性格のネジくれ曲がったヒーロー」と評しているほどだ。 一方で、草加が変身する仮面ライダーカイザは非常にカッコいい。ブラックベースにイエローのライン、頭部にはギリシア文字のX(カイ)とあり、今でこそシリーズらしいデザインであるが、放送当時は非常にインパクトがあったことを覚えている。 そんな草加の最期は悲惨だ。物語終盤の第48話「雅人、散華」で、敵の罠だと知りながら真理救出に向かった草加。しかしその戦いに敗れ、波打ち際で瀕死の状態になってしまう。 「死んでたまるか…たまるか」という声も荒波の音でかき消され、探しに来た愛する真理にも届かない。最期は愛用したカイザドライバーを敵に使用され首をへし折られるという、シリーズ屈指の無残な死に方をする2号ライダーでもあった。 ちなみに、本作20周年に製作されたVシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』でも、草加に関しては衝撃の展開が待っているので、まだ視聴していない人はぜひチェックしてほしい。