服部幸應さん

【こだわりの極意】 まさか夕刊フジが休刊だなんて！　来年1月そのときが来るまで、よりよいコラムが書けるようアンテナを張り巡らします。 【写真】観光客を「食」でもてなすために監修したオリジナル弁当を手に笑顔の服部幸應さん（2015年撮影） そんなところに突然、飛び込んできたのが服部幸應さんの訃報。いや～びっくりしたなぁ～。服部さんとはテレビ番組だけでなくプライベートな食事会も含め、ホントにお世話になりました。 料理関係の番組でご一緒すると、収録で使わなかった食材を「これ持って帰って」と渡してくれたり、広尾にお店を出した時は「ふらっと行ける、かき氷がうまい居酒屋を出したんで、一緒に行きましょう」と誘ってくれたり、あ～思い出がつきない！ 確か、その店で岩手の短角牛を初めて食べさせてもらったんだっけな。「料理の鉄人」をはじめとするグルメ番組の名解説、もっともっと聞きたかったな～。そんな思いが込み上げるなか、不謹慎にもおなかがグ～ッ！　あ～腹減った！ そんな訃報もあり、外に出る気分じゃなかったので、気になって買っておいた「日清ラ王鍋用中細めん」を食べてみるかと、この日は鍋にすることに。高校2年の夏休みにダイエットを思い立った時代から、鍋は作り方で低カロリーにできる稀有な料理。ダイエット成功後、映画デビューしたあとも鍋は今でも、僕の最も好きな家庭料理で、春夏秋冬かかわらず家で最も作る僕のレパートリーのひとつ。 妻のシルビアには申し訳ありませんが、3日連続もあるわが家のリピート献立。ダイエットしなくていいときは、最後の楽しみは麺！　というわけで鍋用のラ王を食べてみれば、これがびっくり仰天の旨さ！　袋に書いてあるコピー「まるで、生めん。」に偽りはありませんが、ラ王ファンの皆さん、心配しないでください。ちゃ～んとラ王感も残ってますよ。 それにしてもチュルチュルくみくみ！　こりゃウメ～！　あっさり鍋にはこの中細めんで、こってり鍋には太ちぢれか。麺の表面が袋麺の麺のマテリアルなので、鍋にすべらせれば、ぐんぐん汁を吸って、うまいのなんの！　早食いで固めもいいですが、わざとオーバーゆでのやわ麺もこれまたたまらない。しばらく病みつきになりそうだ。 服部さん、ホントにこれむちゃくちゃうまいですわ！　食べてほしかったです。あ、もしかしたら、試作段階でもう食べてますか！？　食を愛する姿勢、これからも見習わせていただきます。ご冥福をお祈りいたします。

■髙嶋政宏（たかしま・まさひろ）　俳優。1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、俳優デビュー。Netflix「トークサバイバー2」に大統領役で出演。映画では「KINGDOM　大将軍の帰還」、「もしも徳川家康が総理大臣になったら」が公開中。ドラマ「おいち不思議がたり」がNHKBS／P4K　BS時代劇で放送中。