弾劾政局で年を越す医政葛藤…「医療空白、最低6月まで続く」=韓国(2)
問題は医学部の定員だ。医療界は「2025年度医学部入試募集停止」を連日要求する。しかし、大学入試は最後の段階を迎えている。医科大学随時募集の最初合格者の登録は18日に締め切られ、各大学は26日までに追加合格者を発表する。この時に満たせなかった募集人員は31日から始まる定時募集に移る。教育部は23日「法令上『天災地変』でなければ、公表された事項は変えにくい」と再度明らかにした。 これを受け、大韓医師協会非常対策委員会は22日、「2025年の医学部増員がこのまま進めば、2026年は医学部の新入生募集を中止しなければならない」と述べた。大韓医師協会のパク・ヒョンウク非常対策委員長はこの日「1学年に7500人を教育することは難しい」と述べた。そのため、再来年には医大新入生を「ゼロ」にしなければならないという主張だ。 2026年度の医学部定員については、共に民主党が調整に乗り出した。民主党のカン・ソンウ議員は、保健医療人材支援法の一部改正案を代表発議し、前年度の増員関連の社会的副作用などで規模調整が必要な場合、人員削減が可能だという点を明示した。しかし、「2026年医学部削減」が医療空白の出口戦略の役割を果たすことは難しい見通しだ。医療界は「2025学年度の医学部定員問題から決着をつけなければならない」という立場だからだ。 スピードを出していた医療改革は、弾劾政局の中で動力を失った。大統領直属の医療改革特別委員会(医改特委)に参加した医療界団体3団体がすべて脱退したためだ。曺圭鴻(チョ・ギュホン)福祉部長官は19日、「改革のゴールデンタイムを逃さず、着実に医療改革を推進する」と述べたが、医療改革第2次実行案は年内発表が難しくなった。 福祉部は今年8月に発表した医療改革の第1次実行案に盛り込まれた重症・専門医中心の上級総合病院の構造転換に力を入れている。現在、全国47の上級総合病院のうち44カ所が参加している。医改特委を脱退したある医療界関係者は、「戒厳政局が沈静化すれば、どんな形であれ終えなければならない」とし、「医科大学定員問題に埋没せず、医療政策はそのまま進まなければならない。今、病院で医師を見つけられない状況だ」と話した。 年末年始の飲酒事故が急増する冬が近づいているが、救急救命室は比較的に安定している。現場では「戒厳・弾劾政局の中で落ち着いた社会の雰囲気で救急患者が減った」とも言われる。竜仁(ヨンイン)セブランス病院救急医学科のイ・ギョンウォン教授は「統計は違うかもしれないが、体感上、飲酒患者は大幅に減った」と伝えた。 しかし、専攻医の離脱後、1年近く救急室を守ってきた医療スタッフの離脱の可能性は危険要素だ。イ教授は「専攻医の復帰に対してはあきらめている」とし「戒厳前には『来年3月にはひょっとして』とも思ったが、希望の芽が切られた状態」と話した。