「津波災害警戒区域」指定されるとどうなる…土地評価額は?
発生確率が年々高まっている南海トラフ巨大地震への備えとして、大分県は「津波災害警戒区域」の指定を急いでいます。指定されると一体、何が変わるのかを取材しました。 【写真を見る】「津波災害警戒区域」指定されるとどうなる…土地評価額は? ■南海トラフ地震で最大4メートルの津波想定 大分県津久見市の海岸線にほど近い場所にある高齢者施設「しおさい」。およそ120人が入居する施設では、南海トラフ巨大地震が発生すれば最大で4メートル前後の津波が想定されています。 (「しおさい」・小野淳哉施設長)「避難場所の3階部分は、10メートル近くあるのでなんとか津波から逃げられるかな」 寝たきり状態の高齢者もいる中で、避難方法は基本的に垂直避難のみ。市に提出している「避難確保計画」に基づき、年2回、入居者を施設の3階部分に避難させる訓練を実施しています。 (小野淳哉施設長)「津波に特化した避難計画を求められたので、レベル2~4まで危険度に合わせた対応計画を立てた」 ■学校・病院などでの避難計画作成と訓練を義務付け 県は南海トラフ巨大地震の津波被害を防止・軽減させる対策として、今年3月、臼杵市・津久見市・佐伯市を「津波災害警戒区域」に指定しました。区域内にある学校や病院、社会福祉施設では避難確保計画の作成と避難訓練の実施が義務付けられます。 さらに、県は11月中にも別府市から中津市までの8市町村を追加。これで大分市を除く、海岸線のほぼ全域が指定される予定です。 「津波災害警戒区域」の指定は最大クラスの津波を想定しているものです。大分市もすでに南海トラフ地震に備えたハザードマップなどを作成していますが、別府湾地震が発生した場合、浸水範囲が広くなり、深さも大きくなる可能性が高いと見られています。このため、大分市は避難計画の見直しなど、指定に向けて課題の整理や調整を進めています。 (県建設政策課・緑川誠子さん)「発端は2011年3月の東日本大震災で、いざというときに逃げることができる地域として、県としても指定を進めている」