「優勝候補という意識を」関東B・渡辺明監督、熱き想いは地域と仲間へ託す!2期メンバーは「外せない人が2人いる」/将棋・ABEMA地域対抗戦
全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」が1月11日に放送を開始する。東京・神奈川を束ねるチーム関東Bは、渡辺明九段(40)が監督続投も、左膝の怪我による休場のため指揮官の交代が発表されている。渡辺監督が交代前に語った2期目への思いとは。「優勝候補という意識を」――。地域棋士と地元のファンへ、熱き想いを託した。 【映像】熱い思いを地域棋士へ託す渡辺監督の表情 前回大会は準優勝で大会を終えたチーム関東B。決勝戦では“絶対王者”の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が所属するチーム中部に敗れ初代最強地域の座を譲ることになったが、渡辺監督は「本当にあっという間に終わってしまった」と充実の大会を懐かしんだ。いよいよ開幕を迎える地域対抗戦2025。しかし、渡辺監督は左膝の怪我の手術のため、公式戦の休場と監督の交代という苦渋の決断をすることに。試合での指揮官は、神奈川県横浜市出身でタイトル5期の永瀬拓矢九段(32)が務めることとなる。 出場登録棋士を発表する監督会議を前に、渡辺監督が掲げたのは「優勝候補という意識を」という高いレベルの目標設定だ。関東Bの所属棋士は8地域で最多の43名。「棋士が一番多い地域なので、当然有力な棋士も多い。選ぶということは誰かが落ちるということなので、そのあたりも難しいところはありました」。その中で、渡辺監督は「2回目っていうところでいろいろ迷ったところはあったんですけど、やっぱりちょっと“外せない人が2人”いるんで。だから全体を変えるっていうことにはならないですね」と言及。すでに監督代行が発表されている永瀬九段と、現・タイトルホルダーの存在を示唆した。 渡辺監督は、棋士選出に「明確な理由付けが必要」という。「ABEMAトーナメントは仲がいいとかそういう理由で選んでも別にいいと思うんですけど、地域対抗戦は“僕のチーム”ではないので。所属しているクラスや実績だったり、明確に理由が説明できるっていうのが大事だと思うんですよね」と、ここでも“渡辺節”をさく裂。経験豊富なベテランから新進気鋭の四段まで豊富なメンバーがそろう関東Bとあり、ファンによっては予想のしにくさも楽しみのひとつとなるだろう。 今期の見どころと言えば、“ルール変更”による戦い方の変化となるだろう。監督もバリバリの戦力となる関東B。前年は渡辺監督、今期は監督代行を永瀬九段が務めるとあり、ルール変更による影響は「あんまり変わらないかな」。それでも、他チームは戦い方を大きく変えてくる可能性が高いとあり、実戦ではオーダー順なども勝利へのカギとなりそうだ。「今回ルールが変わったことで、より優勝候補に選ばれるチームだと思います。その辺の意識は、やっぱり持ってやっていかないといけないなとは思ってますね」。渡辺監督の意思を受け継ぐ新生・関東Bはどのような戦いぶりを見せてくれるのか。 前回大会では、パブリックビューイングの熱気を肌で感じ「応援していただいてありがたかった」と声援のパワーを体感したという渡辺監督。「その人気に応えなきゃいけないっていうところは、みんなで共有してやっていかなくちゃいけない」と気を引き締める。目指すは、前年目前で逃す結果となった優勝。今期の栄冠は、是が非でも関東Bが持ち帰る。 ◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部