豪州のディスインフレ失速を警告、拡張的財政スタンス避けよ-IMF
(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)はオーストラリア経済について、ディスインフレの動きが失速する可能性も含め、リスクバランスが下向きに傾いているとの認識を示し、同国政府に行き過ぎた支出を避けるよう提言した。
IMFは2024年の4条協議(年次経済審査)の報告書で、「現在の景気抑制的な金融政策スタンスは適切であり、拡張的スタンスを避け、金融政策のディスインフレ目標を補完する財政政策によって支えられる必要がある」とした。
エコノミストは、オーストラリア準備銀行(中央銀行)がグローバルな金融緩和の動きに追随しないのは、強力な財政刺激が主な理由だと繰り返し指摘している。
豪州では来年5月までに総選挙が予定されており、一層の歳出拡大を求める政治的圧力が高まりそうだ。豪政府によれば、主要貿易相手国である中国の減速などの影響で、財政赤字は今後数年でさらに拡大する見通しだ。
豪中銀は2023年12月以降、政策金利を13年ぶり高水準の4.35%に据え置いており、短期金利市場の価格動向は最初の利下げが来年4月か5月に決まる見通しを反映している。
IMFは「ディスインフレの動きが失速すれば、金融・財政政策の引き締めが必要になる可能性がある。生活費が上昇する状況で、狙いを絞った支援を継続しつつ、マクロ政策ミックスは、金融・財政当局が相互に補完し合い、単一の政策手段に過度な負担がかからないようにすべきだ」と主張した。
原題:Australia’s Risks Tilt to Downside, IMF Says, Urging Restraint(抜粋)
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Swati Pandey