不倫報道に「わきが甘すぎる」と一喝!「みんなの党」渡辺喜美氏が玉木雄一郎氏に“国民がそっぽを向くとき”を厳重忠告
11月11日に召集された臨時国会で、石破茂首相が第103代内閣総理大臣に選ばれた。先の衆院選で自公が過半数を割り込んだことから30年ぶりの決選投票になり、今後も不安定な政権運営が予想される。 【画像あり】玉木氏の不倫報道に「わきが甘い!」怒りのキックを繰り出す渡辺氏 そうしたなかでキャスティングボートを握るのが、衆院選で公示前の7議席から4倍となる28議席に躍進した国民民主党だ。 ところが同党の玉木雄一郎代表と元グラビアアイドルの不倫が本誌の取材により発覚。玉木代表は報道の事実を認め、謝罪会見を開き陳謝することになった。まるでジェットコースターのように上り下りする国民民主党への評価だが……。 2010年代、現在の国民民主党と同じく、少数政党ながら圧倒的な存在感で時の安倍政権に政策実現を迫ったのが、「みんなの党」(現在は解党)だ。結党直後の2010年参院選、みんなの党は約800万票を得て、10議席を獲得。2012年衆院選、2013年参院選を経て最大議席は衆参合わせて36議席になった。奇しくも現在、国民民主党も衆参合わせて37議席と近い数になっている。 同党の代表を務めた渡辺喜美氏は、玉木氏の動きをどう見ているのだろうか。渡辺氏に、「国民民主党の戦略」と「不倫報道への喝」を聞いた。 国民民主党躍進の要因について聞くと、渡辺氏はこう分析していた。 「『手取りを増やす』というシンプルなキャッチコピーが若者の心をわしづかみにしましたね。アベノミクス以降、岸田政権の3年間で所得はあがったものの、社会保険料などの国民負担率は上昇しています。可処分所得はマイナスです。そこに物価上昇。そうしたことが背景にあり、国民民主党の訴えが受け入れられたのでしょう」 みんなの党と国民民主党。政権との向き合いにどういった違いがあるのだろうか。 「2013年の参院選で自民党は65議席から115議席で大勝しましたが、単独過半数に届かず公明党の20議席を加えてなんとか参院で過半数を確保しました。 しかし、私は『公明党よりみんなの党の方が思想、政策で安倍政権に近い』と思い、政策実現のため政権に接近しました。いわば『陰のキャスティングボート』です。 一方、今の衆院は自公で過半数に届いていません。玉木さんは衆院で持つ28議席をレバレッジ(てこ)のように働かせて自民党に正々堂々と政策実現を迫れます。おもねる必要もない。つまり『表のキャスティングボート』。これが(『みんなの党』とは)違います」 与党で過半数を取っていながら自民に近づいていった「みんなの党」。対して少数与党として、連立しても過半数が取れない状況で重要な立場を担うのが「国民民主党」だと、状況の違いを語る渡辺氏。だが、権力維持のためにはあらゆる手段を厭わないのが自民党だという。その“手練れ”は、どんな策を繰り出してくるのか。 「自民党は組織防衛本能がすごい。これから議員の『一本釣り』が始まりますよ。無所属議員はもちろん、日本維新の会に手を突っ込むかもしれません。立憲の野田(佳彦)さんと石破さんは、考えも似通っていますから部分連合の可能性すらあります。 自民党の森山裕さんは鹿児島市議から党幹事長に昇りつめた叩き上げの人。調整力も党内外の人望もありますから、いろいろと動くでしょう」 こうした多数派工作で、自民党は国民民主党のキャスティングボートを“はく奪”しようとする、と警鐘を鳴らす渡辺氏。 しかし党内に目を向ければ、「みんなの党」は路線対立で党分裂に陥った過去がある。国民民主党にその心配はないだろうか。 「路線対立は今後、当然あるでしょう。政策実現を目指そうと思えば、与党との協議になります。私は、政権と是々非々で臨むのが『やとう(野党)』、部分連合をするのが『ゆとう』、閣外協力が『よとう(与党)』、閣内協力が『連立与党』だと考えています。 玉木さんは『ゆとう』の立場だと思いますが、さらに進んでより自民党に近づくと、どうしても次の選挙を優先する議員は、自民党との違いが出せなくなるため反発します。私の失敗の原因は、選挙優先だった江田憲司さんたちと、早く別れなかったことにあります。 しかし国民民主党を支持した国民は『ゆとう』から『よとう』になったらそっぽを向くでしょう。アウトです。玉木さんには『選挙ごとに政党が大きくなっていく』という(国民民主党)純化路線を歩んでほしいですね」 こう玉木氏への「一本独立」路線への期待を口にした渡辺氏。一方、苦言を呈したのは今回の不倫騒動についてだ。 「ホテルで女性と二人きりでコソコソ会うことからして、わきが甘すぎる。言い訳できません。甘いにもほどがあります。赤っ恥以上の大打撃。フードをかぶっていたって、誰だって(玉木代表だと)わかりますよ。『マスクくらいしろよ』と言いたい。これは冗談ですけど(笑)。 私がみんなの党の代表になったころは、政治部にも女性記者が増えてきました。私は女性記者と絶対にサシで会うことはしませんでした。必ず同僚や他社の記者を同席させるなど、注意しすぎるほど注意していました。 先ほど『国民民主党は純化路線で行くべき』と言いましたが、玉木さんは『不純路線』を行ってしまった。残念ですね」 渡辺氏の数々の諫言が、玉木代表に届くことを願いたい。 わたなべよしみ 1952年生まれ。父で元外相の美智雄氏の秘書などを経て1996年衆院選で栃木3区から立候補・初当選。第1次安倍内閣で規制改革担当相、第1次安倍改造内閣・福田内閣で行革相。2009年に「みんなの党」を結党。2014年衆院選で落選後、2016年参院選比例代表で日本維新の会から立候補・当選。2022年に国会議員引退。
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