ビルバオ、40年ぶり通算24度目の国王杯優勝! 世界で“唯一無二”のクラブが示した“純血表明”
■牽引する“兄弟”と到来した“9番”
待望の“9番”が現れたのも、40年ぶりの優勝を成し遂げた要因のひとつだ。アリツ・アドゥリスの“直系後継者”として名乗りをあげたゴルカ・グルセタは、ラ・リーガの『ピチーチ賞』と『サラ賞』を争える13得点を記録している。また、マジョルカとの決勝戦こそ出番が訪れなかったものの、今大会で6ゴールを挙げたアシエル・ビジャリブレは、アブドン・プラツ(マジョルカ)、アナスタシオス・ドゥヴィカス(セルタ)と並んで大会得点王に。セレモニーではお馴染みのトランペットを演奏し、セビリアの夜空に祝福の音を鳴らしている。 ウィリアムズ兄弟が、攻撃のカギを握っていると言っても過言ではない。爆発的なスピードとフィジカルを武器とする右ウィングの兄イニャキ・ウィリアムズと、テクニカルなドリブルと両足遜色ないキックを武器とする左ウィングの弟ニコ・ウィリアムズ。前者はここまで公式戦11得点5アシスト、後者は6得点14アシストと圧倒的な個で、相手守備陣を蹂躙する。控えには万能型のアレックス・ベレンゲル、新進気鋭のアドゥ・アレス、大ベテランのラウール・ガルシア(主戦場はセンターフォワード)と戦力の充実ぶりが窺える。
■王様イケル・ムニアイン
そして、最後に紹介するのは、ワン・クラブ・マンのイケル・ムニアインだ。2009年夏に16歳でトップチームデビューを果たし、昨年12月に31歳となった“王様”はクラブ歴代2位となる公式戦通算556試合に出場中。2019年夏より腕章を巻くムニアインは、一昨夏に3度目の就任となったバルベルデ監督の下ではプレータイムを減らしているが、カピタンとしての役割を全うしている。もちろん、ピッチに入れば“10番”として攻撃を司る役割も兼任。決勝戦では延長前半から途中出場すると、直接フリーキックでゴールに迫るなど、実力が健在であることは疑いようがない。 ムニアインにとっては、主要大会6度目のファイナルで獲得した初タイトルに。この景色を見るまでに5度の準優勝、2度の前十字じん帯の大ケガと、多くの挫折や苦悩を味わってきた。試合後、自身の公式Instagramを更新した同選手は、ベッドでトロフィーと眠る写真を投稿するとともに、「夢が叶うこともある。チャンピオン」と綴っている。 セビリアで凱歌をあげた“ロス・レオネス”は、来る木曜日にネルビオン川を下る伝統の水上パレードを実施する予定とのことだ。
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