サッカー日本代表・森保監督

　日本サッカー協会は３日、２０２６年Ｗ杯アジア最終予選Ｃ組第３戦のサウジアラビア戦（１０日、サウジアラビア・ジッダ）と第４戦のオーストラリア戦（１５日、埼玉スタジアム）に臨む日本代表メンバー２７人を発表した。ＭＦ遠藤航（３１）＝リバプール、ＭＦ三笘薫（２７）＝ブライトン＝ら主力は順当に選ばれ、イングランド２部でブレーク中のＦＷ大橋祐紀（２８）＝ブラックバーン＝が初選出された。 　　◇　　◇　　◇ 　森保監督が”隠し玉”候補として指名したのは、２８歳の遅咲きストライカーだった。大橋は今夏加入したイングランド２部のブラックバーンで公式戦１０試合出場、５得点。多彩なシュートパターンと決定力が最大の売りで、指揮官は「普段やっていることを、代表の舞台で年齢に関係なく思い切って発揮してもらいたい」と期待を寄せた。 　最終予選最大のヤマ場で、年代別の代表経験もない晩成の”無印”アタッカーの抜てきは異例。「同じ力を持っているのであれば、若い選手を招集することも考えられる。これまでやってきていなかったことかもしれない」と話した。 　三笘や上田、堂安ら東京五輪世代、さらに下の久保、鈴木らパリ世代を重用、熟成してきた手法とは一転。指揮官は「若手であれ、ベテランであれ、明らかに結果を出し、存在感を発揮しているのであれば、誰にでもチャンスがある」と当然のように言い、さらなる生存競争を促した。 　大橋は湘南時代の昨季、１３得点を積み上げ、今夏まで在籍した広島では半年で１１得点を記録した。ゴール前の動き出し、左右を問わないシュート力、献身的な守備で右肩上がりのキャリア曲線を描き、念願の欧州進出を実現。英国で早々と存在価値を見せつけ、ブラックバーンのユースタス監督から「傑出したストライカーだ」と賛辞を贈られた。 　大橋に求められるのは結果にほかならない。初招集即得点で、日本代表のストライカー戦線に割って入る。