【2歳馬ジャッジ】ラスト2F、勝ちっぷりは満点評価 今後の飛躍が楽しみな凱旋門賞馬の全弟シンエンペラー
11月1週目の2歳戦
このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は凱旋門賞馬の全弟シンエンペラーや例年素質馬が揃う百日草特別を制したアーバンシックなどが出た、11月4、5日の2歳戦について指数と評価を掲載する。 【マイルチャンピオンシップ2023 データ分析】差しが6勝も後ろ過ぎると問題あり!? 前走クラス別成績などデータで徹底分析(SPAIA)
11月4日(土)東京1R 優勝馬 ソニックライン 指数-14(ダート)評価AA
デビューからの2戦は芝で連続3着。ただ初戦の勝ち馬はパワーホールで2戦目はのちに札幌2歳Sを制するセットアップ。戦った相手が強すぎて運がなかったとも言える。今回はデビュー3戦目で初ダートの一戦となった。 レースは5番枠からスタートし、五分の出だったが、行きっぷりが良く楽に2列目の最内を確保して追走。3~4角で逃げ馬の直後まで上がって4角出口で前2頭の外に出ると、残り300mで2番手に上がった。そこから逃げ切りを図るロジアデレードに並びかけて激しい一騎打ち。ゴール寸前で同馬を競り落とし、半馬身差でゴールした。 3着以下には10馬身差をつけており、ダ1600mの走破タイム1分37秒3もかなり優秀。記録した指数も古馬1勝クラスを勝てるものだった。ラスト2Fは12秒3-12秒3。かなり速い時計で走りながら最後まで減速しなかったことも価値が高い。 名牝ソングラインの半弟にあたり、血統的にもかなり奥がありそう。今後のダート路線で大活躍が期待できる。今回2着のロジアデレードもかなり優秀な指数をマークしている。よほど疲れが残らない限り、未勝利クラスはすぐに突破するだろう。
11月4日(土)東京5R 優勝馬 シンエンペラー 指数-6 評価AAA
4番枠からトップスタートを決めて早々と1馬身前に出たが、そこからすっと抑えて好位の最内を追走した。道中は前にスぺースを作って追走し、3~4角でそのスペースを潰して4角出口で逃げ馬の外。直線序盤で外からほかの馬が上がってフラつき、一瞬進路が狭くなりかけたが、あっさり抜け出した。そこからは後続を引き離していき、そのまま減速することなく3馬身差で押し切った。 ラスト2Fは11秒1-11秒0。一流馬と評価すべき数字が出た。最後の直線で抜け出してから外に切れ込むようにヨレた点はマイナス評価だが、他は満点評価ができる勝ちっぷりだった。 本馬は凱旋門賞、仏ダービーの勝ち馬ソットサスの全弟にあたる超良血馬。矢作芳人厩舎所属だけに順調ならば海外遠征をするようになるだろう。とにかく今後の飛躍が楽しみな馬。期待込みで評価AAAとする。