1回1死、先制の右越えソロを放った柳田（撮影・永田浩）

　◆ウエスタン・リーグ　阪神6ー14ソフトバンク（25日、鳴尾浜） 　ギータが、待望の〝復帰後初アーチ〟を放った。右太もも裏を痛め、6月から戦線離脱していたソフトバンク・柳田悠岐外野手（35）が「2番DH」で先発出場。1回の第1打席に、右翼席へ1号先制ソロを運んだ。 ■尻もちスロー！鷹のジーターが魅せた【写真複数】 　「チームが優勝争いをしているんで、その中で1本出たらいいな、と思っていたんで、まあ、よかったです。1点は取れたんで、チームも勝ったんで、よかったですね」 　ファームも、中日との激しい優勝争いの真っ只中にあり、試合前の時点で、この阪神戦を含めて今季残り4試合で「M3」。その緊張感が、主砲にはちょっとした、いい刺激になるのだろう。ストッキングを見せて履く「オールドスタイル」で登場した第1打席。阪神先発は20歳の左腕・門別啓人。真っ向勝負の初球は146キロのストレートで、これを豪快にフルスイングしての空振りも、またギータらしさ。2球続いた内角球を見逃し、4球目の147キロ直球をファウル。カウント2―2の5球目、148キロをフルスイングすると、打球は美しく、高い放物線を描いて、両翼96メートルの右翼ネットへまっしぐら。ライトの阪神・野口恭佑はフェンス方向へバックすることもなく、ただ頭上の打球を見送るだけの、まさに文句なしの一撃だった。 　このギータの一撃に勢いづけられた若鷹たちも打つわ、打つわの大猛攻。先発全員の17安打、3本塁打も飛び出しての14得点で大勝。柳田は、2打席目の3回にも、自らのひざ元に落ちてくる門別の124キロスライダーに「ちょっと詰まった」といいながらも、うまくすくい上げた一打は、右中間深くまで飛んでいく右飛。4回の第3打席は空振り三振に終わり、ここでお役御免となったが、これでファームでの復帰4試合・10打席で、打率をちょうど「3割」に乗せた。 　それでも松山秀明2軍監督は「もう心配ない、っていう段階ではないですよ」と〝注釈〟をつける。「まだ試合に出たばかり。守っていないし、これからですよ。結果はもう別なんで、こちらとしては体調的なもの、コンディショニングの方が気になっているんで、ホームランを打ったからどう、という話ではないですね」とむしろ、一発が飛び出すのは〝当然〟と言わんばかり。確かに懸念しなければいけないのは、全治4カ月と診断され、長い治療とリハビリが続いた右太もも裏の回復具合なのだ。 　「守ったり、塁に出て、そこでやっぱり自分の予測しない動きでもこなせるようにならないと。そのために試合に出ているわけなんで」という松山2軍監督の説明は、実に明快。柳田は引き続き、27日からの広島戦（山口・由宇）に参戦、この3連戦では外野守備にも就く予定になっている。 　当然ながら、来月16日からのクライマックス・シリーズのファイナルステージでの復帰をにらんだスケジュールで、右足首捻挫でこちらもリハビリ中の近藤健介外野手をDH、柳田に外野を守らせるのが、小久保裕紀監督がリーグ優勝後に明かした、CSへ向けての青写真。右太ももを含めた体の動きに関して「問題はない？」と問うと「そうですね、はい」ときっぱりと答えた柳田は、広島戦での〝フル復帰〟へ「守備もしっかり練習しているんで、守ったときには一生懸命やりたいなと思います」と力強く宣言した。 　真骨頂のフルスイングは、確実に戻ってきている。あとは、走って、守って、投げて―。柳田の先制弾で快勝したファームは、連覇へマジック「1」とし「また（次の試合まで）一日空きますけど、また頑張ります」。　若鷹たちの連覇へ向けての〝助太刀〟とともに、いよいよ、完全復活の日が近づいてきたようだ。 【#OTTOホークス情報】 【おすすめ記事　優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼