「反省し信頼回復に努める」 不記載事件の逆風しのぎ9選果たす 千葉3区・自民松野氏
27日投開票の衆院選で、大激戦となった千葉3区(千葉市緑区、千葉県市原市)で9選を果たした自民党前職の松野博一前官房長官(62)は、28日午前0時10分ごろ、待ちに待った「当選確実」の一報が届くと、それまでテレビ番組の開票速報の行方を見守っていた市原市西国分寺台にある選挙事務所は歓声に包まれた。 50人ほど集まった支援者を前に、松野氏は笑顔で一人一人と握手を交わしながら「厳しい選挙戦だったが、皆さんのお力で当選することができた」と喜んだ。「たくさんのお叱りも受けた。反省し、活動を通じて信頼回復にも努める。教育政策などを国政の場で進める」とも語った。 党派閥パーティー収入不記載事件を受けた「政治とカネ」の問題で党役職停止1年の処分を受けた。 党や自身への逆風をしのごうと、ミニ集会を定期的に開き、不記載事件の経緯を繰り返し説明し続けた。まずは、以前からの自民支持層固めに奔走した。 衆院選では、街頭演説に立つ場所や日程をほとんど公表しない〝ステルス戦術〟を取りながらも、系列の地方議員がフル回転。連日、どこに街宣するか松野前長官本人が決め、街頭に立つと、岸田文雄前首相を政権のスポークスマンとして支えてきた官房長官時代の実績を主張し続けた。 「選挙戦の序盤はかなり強い向かい風が吹いていたが、中盤からは前回の令和3年衆院選で勝ち切ったときと同様の人出が出ており、手応えを感じるようになっていった」(系列の自民市原市議)という。 最大のライバル、立憲民主党元職の岡島一正氏と最後の最後までもつれたが、なんとか振り切った。(松崎翼)