ドクターイエローが東京駅に 来年1月に引退 「また会いにいくよ」
来年1月に引退する東海道・山陽新幹線の点検車両「ドクターイエロー」が14日、東京駅に姿を現した。通常はダイヤが公表されず、「見ると幸せになる」と言われる人気者とあって、居合わせた乗客には、乗り込んだ列車から慌ててホームに戻り、熱心に写真を撮る姿もあった。 【写真】東京駅に停車する点検車両「ドクターイエロー」をスマートフォンで撮影する人の姿があった=2024年6月14日午前11時48分、長島一浩撮影 黄色い車体が特徴のドクターイエローは、営業線を走りながら線路や架線などの状態を点検する車両で、「新幹線のお医者さん」と呼ばれる。JR東海とJR西日本が1編成ずつ保有しているが、老朽化を理由に、JR東海は来年1月、JR西は2027年以降をめどに引退させると発表した。 この日、東京都品川区内の車両基地を出発したドクターイエローは、午前11時30分過ぎに東京駅18番線ホームに到着。約10分後に博多駅に向かって出発した。 埼玉県から来た会社員(21)は「写真や模型でしか見たことなかった」と興奮した様子。「確かにハッピーな気分になれました」と話した。 引退を惜しむ声は各地で上がる。 千葉県の女性(35)は、電車好きの長男(4)とドクターイエローを見たことがある。ドクターイエローが走らなくなると伝えたら長男は「えっ」と戸惑っている様子だった。本当に走らなくなる時がきたら、「泣いちゃうかもしれない」。でも、いつかは引退する時がくる。チャンスがあればもう1回見たいと思っている。 先代のドクターイエローは名古屋市のリニア・鉄道館にある。引退する車両も展示され、またいつでも会えるようになってほしい。そうしたら、子どもたちとリニア・鉄道館に会いに行き、新しい思い出を作りに行きたいと願っている。(細沢礼輝、山田暢史)
朝日新聞社