【ラグビー】青梅の地で。[日本航空石川]
「格上の東明などにも互角にやれて、それまで引き気味だったディフェンスでもみんながバチバチ当たれるようになりました」(上野主将) 続く菅平合宿ではそのディフェンスに磨きがかかる。例年以上に勝ち星もついてきた。 「去年は負け越したのですが、今年は勝ち越して終わりました。結果以上に内容も良かった。ターンオーバーからトライまで持っていく形を表現できた試合がいくつもありました」 東京に移ったことで、もう一つ良いことがあった。首都圏に通う学生のOBが、頻繁に顔を出せるようになったのだ。取材に訪れた9月上旬には、中大2年のSH久保田泰綺ら複数人が後輩に胸を貸していた。 今季は昨季の花園で先発したメンバーの実に11人が残った。経験値が高いからこそ、「今年は菅平のミーティングもすべて選手たちだけでやりましたし、全員のゲーム理解が深まっている。去年の二千翔さん(中山前主将/現・東洋大FB)のようなタレントこそいませんが、去年よりも強くなっている実感がある」と自信をのぞかせる。 シアオシ・ナイHCが指導する自慢のFWは、留学生のNO8エドウィン・ランギが191センチ、アルメイダ聖と立松大の両LOがそれぞれ188センチ、184センチ、FL飯澤慶大は186センチと全国でも有数のサイズを誇る。推進力のあるHO川上聖翔らFW陣が前に出られれば、上野主将とCTBコンビを組む「隠し球」(紙谷監督)のマプァエ・ウィリアムが躍動するだろう。 2017年度以来のシード校撃破とベスト8進出を狙う上野主将は、故郷への思い入れが人一倍強い。ラグビー部では数少ない石川出身だ。 「自然も豊かですし、人も温かい。石川が好きなので、高校で県外に行くことは考えていませんでした。ラグビーやっている身としては、地元は強い県であってほしいと思っています」 いまは遠く青梅の地で研鑽を積み、「石川」の強さを示したい。 ※ラグビーマガジン11月号(9月25日発売)の「ハイスクール・シーン」掲載情報を再編集。情報は9月18日時点。