【独自】「謝罪どころかカネを払えと脅された」夢グループ・石田社長が明かした「4200万円背任事件」の全貌
元部長ら再逮捕を受けて
今月12日、通信販売会社「夢グループ」をめぐる背任事件に、新たな動きがあった。5月23日に逮捕された元同社企画宣伝部長・川崎敦史容疑者と、イベント企画会社「ワイルドワン」代表取締役・沖山守容疑者が、夢グループのカネを計約4200万円流用したとして、再逮捕された。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 警視庁によれば、再逮捕容疑は、2022年1月から2023年4月までの間、約20回にわたって取引先の広告代理店から広告費として、夢グループに支払われる代金の一部を、沖山容疑者の会社口座に送金させ、損害を与えた疑いだ。 5月23日、夢グループの石田重廣社長は報道陣に対して、「警察沙汰になった社員がいるということで、お客様に夢を与える自分たちが、本当に夢を与えていい会社なのか、自分の中で考えないといけない瞬間だ」と取材に応じるも、その後、しばらく沈黙を貫いていた。 しかし今回、あらためて取材を申し込んだところ、「現代ビジネス」単独取材に応じてもらうことができた。 事件発覚の経緯、そもそも川崎容疑者とはどのような人物だったか、一部報道に出ている通り「パワハラ」をしていたのか、そして今回の事件を受けて会社をどうしていくのか――。石田社長自らが明かす。
退職代行から突然の連絡
――会社の“異変”に気付いたのは、どのタイミングだったのでしょうか。 すでに報道にもあります通り、川崎容疑者は、所属アーティストをテレビやラジオ、イベントにキャスティングしたり、折込チラシや新聞広告の営業を行うチームを率いる存在でした。チームは、ベテランから中堅まで8人ほどで業務にあたっていました。 それが2023年の春頃でしょうか、立て続けにメンバーのうち2人が会社を辞めたんです。普通は事前に退職理由を伝えて、「いついつまでに辞めます」「お世話になりました」と言うのが普通でしょう? ところが本人たちはいっこうに連絡をしてこない。 その代わりに代行(「退職代行サービス」のこと)を名乗る人物から連絡がきたんです。私はネットを見ませんから、代行なんてものがあるなんて知りませんでした。ついその時は「いい仕事をやる会社があるんだなぁ。うちでもやろうかな」と思ったくらいです(笑)。 ところが翌月、同じような形でまた1人辞めて。これはおかしいな、と。私はこれまで何百人と雇ってきましたが、一度としてこんなことはなかったんです。 そこで、別のスタッフを介してあらためて退職理由を確認してみたところ、『この会社にいるのが危ない』と言うんです。そこで初めて、川崎容疑者のチームが何か危ないことをやっているんだな、と気付きました。