【特集】同一シーズンに日産GT500と国内トップフォーミュラを走らせたドライバーたち。スーパーフォーミュラに改称から11年で8人
先日、日産陣営のスーパーGT・GT500クラスの2024年ラインアップが発表され、三宅淳詞がNDDP RACINGから参戦することが明らかとなった。三宅にとっては初のGT500となるが、その一方でスーパーフォーミュラにもThreeBond Racingから参戦することが発表されており、2シーズンぶりの国内トップフォーミュラ復帰となる。 【ギャラリー】スーパーGTを彩った“カルソニックブルー”のマシンたち かくして今季は国内の2大トップカテゴリーに参戦を果たす三宅だが、そもそも日産陣営としてGT500クラスに参戦するドライバーが、同年にスーパーフォーミュラにも参戦するというケースは近年では非常に稀だ。スーパーフォーミュラはホンダ(ホンダ・レーシング)とトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)がトップパートナーとしてシリーズを支えており、エンジンもホンダ/M-TEC製とトヨタ/TRD製の2種類。そのため、ホンダエンジン搭載チームには“ホンダ系ドライバー”が、トヨタエンジン搭載チームには“トヨタ系ドライバー”が乗ることが多いということも、こういった現状に繋がっていると言える。 三宅は2018年の鈴鹿サーキット・レーシングスクール(現ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)で主席となり、一時はホンダ育成ドライバーとなったものの、FIA F4での1シーズンを経て育成から外れて以降は、“非メーカー系ドライバー”として実力を示してきた。2020年から参戦したスーパーGTのGT300クラスではMax Racingでレクサス RC F GT3やトヨタ GRスープラ GTをドライブ。スーパーフォーミュラではトヨタエンジンを積むKCMGでテストに参加した翌年、ホンダエンジンを積むTEAM GOHでデビューを果たし、1年のブランクを経て今年、ホンダエンジン搭載チームであるThreeBond Racingのシートを得た。そしてGT500で乗るのは日産Z……まさにメーカーの垣根を超えた活躍をしている。 このようなキャリアパスは相当なレアケースだとしても、ここ最近のトップフォーミュラにおいて、日産のGT500ドライバーが出場するという事例が全くなかったわけではない。 そもそも、国内トップフォーミュラにおいてエンジンが無限のワンメイクからホンダ、トヨタの2社供給になったのが、フォーミュラ・ニッポン時代の2006年。ただ当時は本山哲、ブノワ・トレルイエ、松田次生、柳田真孝といった多くの日産ドライバーが参戦していた。 その後はホンダとトヨタがフォーミュラ・ニッポンで使うエンジンがスーパーGTでも使われるようになったり、金融危機によりフォーミュラ・ニッポンの参戦台数が激減したりと、取り巻く状況が変わっていったことで、2009年以降は日産ドライバーがフォーミュラ・ニッポンに参戦する例が著しく減少した。 名称が“スーパーフォーミュラ”に改められた2013年以降で限定すると、両カテゴリー参戦を果たしたドライバーは7人。三宅が8人目となる。今回は三宅以外の7人のドライバーを振り返る。
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