阿部詩、ノーシードから2連覇を達成する覚悟「この1カ月で作り上げたい」/柔道
柔道のパリ五輪女子日本代表が26日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで行っている強化合宿を報道陣に公開した。52キロ級代表の阿部詩(23)=パーク24=は、8位までがシードされる五輪ランキングで9位。開幕までちょうど1カ月となったこの日、ノーシードから2連覇を達成する覚悟を示した。 誰が相手でも関係ない。パリ五輪開幕まで1カ月。阿部は大学生や実業団選手を相手に、いつもと変わらぬ素早い動きで組手で優位に立つと、次々と投げを打った。 「とうとう1カ月かという感覚。早いな~って感じています。だいぶ順調に体も心も技術も3つそろってきています」 25日までに国際柔道連盟(IJF)が発表した五輪ランキングは9位。上位8人のシードから漏れた。「シードには入れるなら入りたかった」と阿部。シードされれば抽選前に他のシード選手とどの段階で当たるかが想定でき、相手の対策は立てやすい。 それでも、阿部は「コンディション面を優先した」。多くの大会に出場してランキングポイントを重ねる海外選手に対抗するのではなく、肩や腰に不安を抱える自身の身体を考慮した。 金メダルに輝いた東京五輪以降、国際大会は無敗。絶対王者は「(五輪の組み合わせは)どこに入ってもいいかなと思っている。結局は(強豪と試合を)やっていかないといけない」と、自信をのぞかせた。 「どんな場面でも自分がやってきたことを出せるように、この1カ月で作り上げたい」。パリの畳の上で3年間の集大成を見せる。(山下幸志朗) ♥48キロ級代表の角田夏実 「地に足を着け、自信過剰にならずにいつも通り準備をする」 ♥57キロ級代表の舟久保遥香 「不安になる日もあるけど、今やれることに集中して1日1日を大事に過ごしている」 ♥63キロ級代表の高市未来 「総合的にもう少しレベルアップしたい。強みである組手や足技、寝技の際をもう少し追求したい」 ♥右足首の捻挫で、この日は練習を見学した70キロ級代表の新添左季 「足首以外は無傷。今週中には復帰できる。治れば全開でいけると思う」
♥78キロ級代表の高山莉加 「寝技に磨きをかけている。立ち技も試合で出せるように力とスピードを意識してやっている」