努力と意思と支えがあれば夢はかなう…ダウン症アスリートがタンデム自転車で日本縦断、多くの人々との交流も糧に1カ月半かけ2900キロ走破
徳島県阿南市のダウン症の阪野翔生(しょうき)さん(37)と父・顕正さん(67)親子が2人乗りのタンデム自転車で日本縦断に挑戦し21日、ゴールの南大隅町の佐多岬に到着した。「障害がある人、家族に希望を持ってほしい」と北海道の宗谷岬を出発し、1カ月半で約2900キロを走り抜けた。 【写真】2人乗り自転車で日本縦断を果たした阪野翔生さん(右)と父の顕正さん=南大隅町根占
翔生さんは、染色体の突然変異で起こるダウン症。体力づくりなどを目的に、10代でトライアスロンを始め、徳之島など国内外の30を超える大会で完走を果たした。 今回、新たな挑戦をしようと日本縦断を決意。9月6日に出発し1日70キロほど、長い時は90キロを走った。10月17日に鹿児島入りし、いちき串木野市や姶良市を巡った。顕正さんは「国道3号はアップダウンがあってきつかった」と振り返る。 21日は午前7時半に鹿屋市を出発し、午後1時半前に佐多岬に着いた。コースの国道269号は鹿児島湾沿いを走るため、「桜島と、きれいな虹が見えて感動した」という2人。翔生さんは「自分のような境遇の人とも交流ができた。楽しかった」と笑顔。顕正さんは「根気よくトレーニングし、本人の意思と周囲の支えがあれば日本縦断ができると示すことができた」と喜んだ。
南日本新聞 | 鹿児島