お遍路さんが戻ってきた町で…脈々と受け継ぐ“お接待”文化 鈴の音に出会う里山の春
四国霊場の札所や史跡が数多く残る“遍路の里”が、愛媛県松山市にあります。 暖かくなるにつれ、たくさんのお遍路さんが訪れる静かな里山。春の1日を取材しました。 【動画】祈りと癒しの里 松山市久谷町春ものがたり<NEWS CH.4>
春とは名ばかりの冷え込みとなった朝。 歩き遍路の男性: 「北海道苫小牧市から」 Q.なぜ四国に? 「去年3月に退職したんですよ。それでちょっと行ってみようかなと思って。母も95歳になるものですから、長生きしてほしいというので」 少し前まで静かだった町に、お遍路さんの姿が戻ってきました。
松山の南部に位置する久谷町。46番札所の浄瑠璃寺に…
47番札所の八坂寺。 そして四国遍路にちなんだ様々な史跡が点在する“遍路の里”です。
春の訪れとともに「遍路の里」を訪れる人たち
兵庫県から歩き遍路で: 「3年前に一度歩いたんですけど、その時は電車とかバスとか利用したので、今回は完全に歩こうかなと。(四国は)人があたたかかったり声かけてくれたり。こんな格好して歩いてても子供たちは不審に思わないし」
岡山県から夫婦で: 「あいさつを交わし合うのもお遍路のひとつの楽しみ。きょうもたくさんの方を見て、同じ場所にみんな連なって行っている感じがまた楽しい。全然顔知らない人ですけどあいさつお互いにして」 春の訪れとともに、遍路の里には県の内外からたくさんの人が訪れます。
坂本屋 二神 研治さん: 「(お遍路さんは)久万のほうから来られるんだと思うんですけど、林道を通って最初に、そろそろ疲れてきたかなというところに接待場所(坂本屋)がある」 険しい遍路道を乗り越えてきたお遍路さんの休憩所スポット。スタッフは持ち寄ったお茶やお菓子などを無料で振る舞います。
二神さん: 「いろいろ見てたら…」 記者: 「これなんかハングルですよね?」 「そうですね、いろんな国の方が来られてますので。オーストラリアとかスペインとか韓国とか」 国や人種に関わらず訪れた人をねぎらう、お接待の文化。坂本屋に置かれたノートには、温かいもてなしへの感謝の言葉が、様々な文字でつづられています。