1人乗りの商用特化モデルもラインナップ

ホンダN-VAN e：

本田技研工業は2024年6月13日、新型の電気自動車（BEV）「N-VAN e：（エヌバンイー）」を同年10月10日に発売すると発表した。 【写真】カスタマイズは自由自在！ ホンダN-VAN e：をもっと詳しく見る（11枚） N-VAN e：はホンダの軽商用車「N-VAN」をベースとした軽商用EVだ。フラットで低い床と高い天井がもたらす大容量の荷室空間、助手席側のセンターピラーをなくすことで実現した大開口部などの特徴はそのままに、静粛性や力強さなどBEVならではの魅力を付与したという。 商用BEVとはしつつも、個人ユースにも対応する全4タイプを設定。商用ユースに特化した「G」のシートは運転席の1席のみ。助手席側ダッシュボードの形状変更によってエンジン車のN-VANよりも室内長を95mm延ばしたほか、助手席をなくしたことで後述する4人乗りタイプよりもフロア高を120mm下げている。「L2」のシートは運転席と右側後席の2座のみのタンデム仕様。2人乗車を可能にしつつ、左側の2座を省いたことによる大空間とピラーレスによる大開口部による荷物を出し入れのしやすさが特徴だ。これらの2タイプはホンダの法人営業部および新車オンラインストア「Honda ON」におけるリース契約のみの取り扱いとなる。 個人ユース向けは「L4」と「FUN」の2タイプで、いずれも4人乗車が可能。ベーシックモデルにあたる前者は7インチの液晶メーターを装備。エクステリアカラーは2トーンも選べる。後者はより趣味やレジャーシーンになじむスタイリングを採用し、インテリアはナチュラルなベージュで明るい雰囲気に。LEDヘッドライトや急速充電も標準装備としている。もちろん2トーンカラーも選べる。 駆動用モーターはフロントにレイアウトされ（4WDの設定はなし）、商用向け2タイプは最高出力53PSを、個人ユース向け2タイプは64PSを発生。162N・mの最大トルクはどちらも変わらない。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は29.6kWhで、WLTCモード計測による一充電走行距離は245kmを実現。冷却・加温システムも備わっており、温度変化によるバッテリーの性能低下を抑制するとともに、特に冬季における充電時間の短縮と航続距離の向上に寄与している。充電口は左右のヘッドライト間に備わっている。 軽商用バンとして初めて前席にサイドカーテンエアバッグを標準化とするなど、安全装備も充実。商用向けの2タイプは衝突被害軽減ブレーキと歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、オートハイビーム、パーキングセンサーシステム（リア）を装備。個人ユース向けの2タイプはこれらに加えて誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、車線維持支援システム、アダプティブクルーズコントロール、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、パーキングセンサーシステム（フロント）、急アクセル抑制機能も装備する。 ボディーカラーはGおよびL2には「タフタホワイトIII」と「ルナシルバーメタリック」の2色をラインナップ。L4はこの2色に加えて「プラチナホワイトパール」「ボタニカルグリーンパール」「オータムイエローパール」の3色と「ボタニカルグリーンパール＆ブラック」「オータムイエローパール＆ブラック」の2タイプの2トーンが選べる。FUNには商用向けの2色は設定されず、L4向けのすべてのバリエーションと「ナイトホークブラックパール」「ソニックグレーパール」、そして2トーンの「ソニックグレーパール＆ブラック」が選べる。 ホンダN-VAN e：のラインナップと価格は以下のとおり。LEVO補助金（いわゆる黒ナンバー用で約100万円の見込み）またはCEV補助金（軽の最大額の55万円）の対象となっており、あくまでLEVO補助金頼みながら「全グレードで200万円を切る価格設定」というのがホンダの主張である。 ・G：243万9800円／254万9800円（急速充電付き） ・L2：254万9800円／265万9800円（急速充電付き） ・L4：269万9400円／280万9400円（急速充電付き） ・FUN：291万9400円（急速充電付き） （webCG）