開幕5日でトレード…栗山監督が頭下げ“謝罪”「逆に申し訳ない」 不完全燃焼の人的補償
「結果を出せなかったのは僕の実力なのに…」
日本ハムで2年連続で結果を残せず、年齢も30歳ということもあり「戦力外になるのではという危機感はありました」と不安はよぎったが、無事に契約を更改。迎えた3年目の2016年は開幕2戦目となった3月26日のロッテ戦でシーズン初登板を果たし、リベンジへのスタートを切った。 その矢先だった。試合前の練習中にチーム幹部から呼び出された。「DeNAへのトレードが決まったから」。まったく予期せぬ出来事だった。部屋を出るとその足で栗山監督のもとへ向かった。挨拶をするためだった。トレードが発表されたのは3月30日。開幕から5日後のことだった。 「俺がお前を生かすことができなかった。申し訳ない」。指揮官からまさかの“謝罪”を受けた。「結果を出せなかったのは僕の実力なのに、栗山監督に頭を下げさせてしまい、逆にこちらが申し訳ない気持ちでした。僕はいろいろなチームをみたい、という考えだったのでショックとかはなかったのですが、活躍してから(チームを)動きたいというのが理想だったので、それができなかったですね」 人的補償で加入した日本ハムには2シーズンと1試合の在籍で計16試合の登板に終わった。不完全燃焼のまま、戦いの場をセ・リーグへと移した。
湯浅大 / Dai Yuasa