西アフリカ情勢「複雑に」 軍政とロシア接近で、国連指摘
国連開発計画(UNDP)のエザコンワ・アフリカ局長は29日までに東京都内で共同通信のインタビューに応じ、近年クーデターが相次いだ西アフリカ諸国の軍事政権とロシアの接近について「地政学的な情勢を複雑にしている」と指摘した。イスラム過激派も台頭して、治安が不安定になる中「この地域を見捨ててはいけない」とし、日本など国際社会に支援を訴えた。 マリと隣国のニジェール、ブルキナファソでは、軍政がテロ対策で駐留していたフランス軍や米軍、国連平和維持活動(PKO)部隊を撤収に追い込んだ。同盟関係を結ぶ3カ国は、ロシアから軍事協力を得て過激派の掃討作戦を展開。だが多数の市民が殺害される事件も起きている。 エザコンワ氏は治安情勢に関して「良くはなっていない」と言及。3カ国が位置するサハラ砂漠南部のサヘル地域は気候変動による干ばつや洪水、貧困も深刻で「助けを必要としている人たちがいる」と強調した。 UNDPは日本政府などと共に、来年アフリカの首脳級を招いて横浜市で第9回アフリカ開発会議(TICAD)を開く。(共同)