「黄色のサンダル」軽装で犯行、土地勘ある人物か 中学生殺傷、高まる不安
北九州市小倉南区のマクドナルド店舗で中学生2人が殺傷された事件は、土地勘のある男による犯行の可能性が浮上している。男がサンダル履きなどの軽装だったのに加え、現場周辺は地元住民以外にあまり立ち寄らない場所だからだ。男が比較的近くに住んでいることも考えられ、福岡県警は周辺捜査とともに、住民の安全確保に向けて警戒を続けている。 【写真】中学生が刺される事件のあった店舗の出入り口にお菓子を供え、手を合わせる男性 事件は14日午後8時25分ごろ、マクドナルド322徳力店で発生。レジを待つ列の最後尾付近にいた同区の中学3年、中島咲彩(さあや)さん(15)と同級生の男子生徒(15)が刃物で刺された。中島さんは死亡し、男子生徒も致命傷になりかねない傷を負った。 県警によると、2人を刺したのは40歳くらいの男で身長は約170センチ。灰色の上着に黒のズボンを着用していた。足の甲を覆い、つま先が見えるタイプの黄色っぽいサンダルを履いており、大きな荷物などは持っていなかったとみられる。 同店があるのは、飲食店やコンビニなどが並ぶ国道322号沿い。交通量は昼夜問わず多いが、国道から少し外れると住宅街が広がり、団地や民家が集まっている。 国道に沿ってモノレールも走り、現場から400メートルほどの距離に2駅ある。ただ、北九州の玄関口・小倉駅からは約7キロも離れており、現場の店を利用するのは「地元の住民や学生が多いという印象だ」と同区の男子大学生(19)は話す。 男が近辺に潜伏している可能性から、市民らの不安は日増しに高まっている。対策として武内和久市長は18日、記者会見で職員約千人を動員し、子供の登下校の見守りに当たると発表した。19日から当面の間、市全域で実施する。(藤木祥平、鈴木文也)