「夏日」は何月から?春と夏の暑さはどう違う??今だからこそ気をつけたいポイントを気象予報士が解説
天気予報では気温が25℃以上の日を「夏日」、30℃以上の日を「真夏日」と呼びますが、名前が「夏日」だとしても25℃以上という日は夏だけに訪れるわけではありません。 【画像】「夏日」は何月から?春と夏の暑さはどう違う??今だからこそ気をつけたいポイントを気象予報士が解説 とくに最近は地球温暖化や都市化の影響で「夏日」の訪れが早くなっている気がしますが、いったいいつ頃から25℃以上の暑さに対処しなければならないのでしょうか。5月から? それとも4月から…? そして、春の暑さには、夏の暑さと比べて何か違いがあるのでしょうか。 今回は、気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、「春の暑さ」とその注意点について解説してもらいます。
これまでにもっとも早かった「夏日」は
東京都心では気象観測の歴史が古く、1875年(明治8年)から気温のデータが残っていますが、その観測史上でもっとも早く気温が25℃に達したのは、2013年の3月10日です。 皆さんの予想よりもかなり早いのではないでしょうか。 じつは東京では去年2023年も3月のうちに「夏日」を経験していて、3月24日に25.0℃を観測。 過去のデータをさかのぼると、だいたい10年に1度程度の割合で、3月に夏日が来ています。 10年に1度なら「めずらしい」と言える程度ですが、4月の夏日に関してはもう、ほぼ毎年あるレベル。 さらに5月以降になると、30℃以上の「真夏日」も出現するようになります。
体が慣れる前に…
春のうちに暑くなってしまう場合、夏の暑さとは異なる注意点がいくつもあります。 まずはとにかく、体が暑さに慣れていないということ。 通常、人の体は「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と言って、毎年春から夏に向けて少しずつ時間をかけて暑さに慣れていきます。 暑さに慣れるというのは、上手に汗をかいて体温調節ができるようになり、空気の温度が高くても体内の温度が上がりすぎないようにできるということ。 しかし、春のうちに25℃や30℃といった気温になってしまうと、対処しきれずに体の中心部分に近い温度(「深部体温」と言います)が上がりすぎてしまい、体に危険がおよぶのです。