博多華丸主演『新生!熱血ブラバン少女。』福岡公演観劇レポート「見に来たことを後悔させず、見に行かなかったことを後悔させる作品に」(博多華丸)
2017年、博多華丸と吹奏楽の名門校・精華女子高等学校の共演で話題を呼んだ舞台『熱血!ブラバン少女。』。あれから7年、感動のハーモニーが博多座開場25周年記念作品として、完全新作で戻ってきた! 主演の博多華丸をはじめ、紅ゆずる、鈴木梨央、星野真里、宇梶剛士、浅野ゆう子など、豪華キャストが集結。劇作はG2、演出にはこれが博多座初、華丸とも初タッグとなる加納幸和(花組芝居)を迎えた。精華女子高等学校吹奏楽部の現役高校生メンバーが、劇中劇で奏でる生演奏とともに、今回はどんな胸アツ・ストーリーを見せてくれるのか? 初日を前にした出演者たちの取材コメントを交えながら、4月6日博多座で初演を迎えた話題の『新生!熱血ブラバン少女。』を観劇レポートする。 【全ての写真】福岡公演舞台写真はこちら 全国にその名をとどろかせる吹奏楽全国大会常連校・精華女子高等学校の演奏にインスピレーションを得て誕生した前作は、廃部寸前まで追い込まれた女子高校吹奏楽部が、博多華丸演じる熱血コーチのもと、全国大会を目指す姿を描いた物語だった。 今回は、指導者不在で部員が半減し、ほぼ休部状態になってしまった、かつての名門女子校吹奏楽部が舞台。物語は、数年前、東京に住んでいた中学生の河合葵(鈴木梨央)が、全国大会でその演奏を聴き、福岡にある西北女子学園吹奏楽部への入部を決意するところから始まる。ということで、精華女子高等学校吹奏楽部の見事な演奏で舞台は幕開け。見事な演奏に聴き入りながら、一気に物語への期待が高まる! 西北女子学園に入学するため、ピアノ教師である母親・凛々子(紅ゆずる)とともに東京から福岡へ引っ越してきた葵は、憧れの吹奏楽部に入部。しかし、吹奏楽部はすっかりひところの活気を失っていた。部員を集め、なんとか吹奏楽部を立て直そうと奔走する葵の熱意に動かされ、「教え子を全国大会へ必ず連れて行く」と評判の城門輝勝(読み:きどてるまさ)(博多華丸)はコーチを引き受けることに。だが、実は彼、コーチはコーチでもスポーツ専門のメンタルコーチだった…。 「今回は“めんたいコーチ”ならぬ“メンタルコーチ”(笑)。本当の先生のように生徒と向き合うシーンも多いので、いかに説得力を持たせ、思いを伝えていけるかを大切に一生懸命演じたい」という華丸の言葉通り、人間味あふれる“熱血”コーチがそれぞれに悩みを抱えた生徒たちの心を動かしていくさまが、ドラマの大きな見どころだ。いい演奏をするためのコツは、“ワクワクすること”と教えてくれたり、「失敗するのが怖い」と言う生徒に、「恐怖は勇気へのパスポート」と教えてくれたり、城門が生徒たちに伝えるメッセージは、大人たちの心にもばんばん突き刺さる。 そんな座長・博多華丸に関して、葵の母親・凛々子役を演じる元宝塚歌劇団星組トップスター(バリバリ博多弁の華丸vsコッテコテ関西弁の紅の方言の応酬も見もの!)の紅ゆずるは、「どんな大きな芝居をしても動じず受け止めてくれる」と懐の大きさを絶賛。校長役を演じる浅野も、その真摯な姿勢に「一緒に芝居をするのが楽しく、安心して演技させていただける」と太鼓判を押す。前作に続いての出演となる星野と宇梶は、7年前から変わらない華丸の“純粋さ”をたたえながら、役者として大きく躍進を続ける華丸の存在感に引っ張られていると語る。「めんたいぴりり」「羽世保スウィングボーイズ」など、本作で博多座主演は5度目となる華丸。座長としての貫禄も十分だ。 「博多座25周年。私も『アタック25』のモノマネで今日に至るということで、『25』とは大変縁がある(笑)。見に来たことを後悔させず、見に行かなかったことを後悔させる作品になっています」と華丸も自信満々。華丸がラストに見せる雄姿には、胸が熱くなること間違いなし。また、現役の精華女子高等学校吹奏楽部だけでなく、吹奏楽部の部員を演じる出演者が生演奏に挑戦しているのにも注目だ。ストーリーと共に、素晴らしい演奏にもおおいに感動させられる。 『新生!熱血ブラバン少女。』は、博多座に続き、大阪・新歌舞伎座で上演。笑いと涙、愛と感動、そして全編に音楽の力がみなぎるジャンルを超えた博多発のエンタメハーモニーをお見逃しなく! 4月21日(日)まで、福岡・博多座にて上演中。4月26日(金)から28日(日)まで、大阪・新歌舞伎座にて。チケットは共に発売中。