まだ気が早いけど……2026年のF1マシンはこうなる? 少しずつ見えてきた次世代マシンの形
F1は次のレギュレーション変更が行なわれる2026年に向けて、急ピッチで計画を固めつつある。 【動画】F1ドライバーにMotoGPライダー……世界のホンダがもてぎに集結! ホンダ・レーシング・サンクスデー2023 2026年にはザウバーと組んでアウディがF1に参入し、一度は撤退を決断したホンダもカムバックする。そうした動きの背景には、市販車との関連の薄いMGU-Hを廃止し、サステナブルな燃料を使用するというパワーユニット(PU)のレギュレーションも大きく寄与している。 しかし新しくなるのはPUだけではなく、レースが可能な限り良いものになるよう、マシンにも大きな改訂が加えられる予定だ。 FIAはこれまで、大まかなアイデアについては何度も議論してきたが、シャシー面の変更について具体的な詳細はあまり明らかにしてこなかった。 FIAのシングルシーター部門責任者であるニコラス・トンバジスがmotorsport.comを含む厳選されたメディアに対して、2026年に向けての方向性について詳細に語ったことで、その全貌が見えてきた。
より小さく、より軽く、より軽快なマシンに
現行マシンの最大の不満のひとつは、あまりに重いことだ。これでは反応が鈍くなるだけでなく、タイヤにも負担がかかりレース内容にも悪影響が及ぶ。 FIAは来年6月末までにレギュレーションの草案を提出する予定だが、2026年に向けてマシンの寸法が変更されることは明らかだ。 トンバジスは、2026年のF1マシンの基本レイアウトは決まっており、現在とは異なるものになると説明している。 マシンの全長はより短くなり、ホイールベースは現在の最大3600mmから3400mmに短縮されるだろう。また、車幅も10cm狭くなり、2000mmから1900mmに縮小されると見られる。 こうした変更はすべて、FIAにとって重要な目標のひとつである”マシンの大幅な軽量化”を達成するためのものだ。 「2026年には最低車重を40キロから50キロ減らすことを目標としている」とトンバジスは言う。 「というのも、近年のクルマは少し大きくなりすぎ、重すぎると感じているからだ」 寸法が小さくなることは重量の軽減に役立つだろうが、もうひとつの要素にも大きな影響を与える。それがダウンフォースの減少だ。ダウンフォースが減少すれば、パーツにかかる負荷が減り、チームはそれほど頑丈なパーツを作る必要がなくなる。 「ダウンフォースが減るということは、サスペンションなど部品にかかる負荷の多くが減るということであり、その結果、チームは重量を減らすことができる」とトンバジスは言う。 また、F1が現行の18インチホイールを捨てることで、さらなる重量削減が見込まれる。 トンバジスは「ホイール径を16インチに小さくし、フロントとリヤのタイヤ幅も小さくすることを暫定的に目指している。これらすべてが、大幅な軽量化につながると考えている」としている。
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