松坂世代がまた一人……トライアウト受験の新垣渚「駄目なら引退する」
だが、度重なる怪我などに苦しみ、2014年7月に山中浩史と共に、川島慶三、日高亮との2対2トレードでヤクルトへ移籍。昨年はローテーションに抜擢されたが、3勝10敗の成績に終わり、今季は6試合に登板、1勝2敗、防御率6.67と戦力にはなれず、5月17日の広島戦で記録した史上3人目の通算100暴投が話題になる始末だった。 「松坂世代」では、その松坂も苦しみながら復活を目指している。ダイエー時代に良きライバルでありチームメイトだった和田毅は、メジャーから凱旋した今季15勝5敗の大活躍を見せた。巨人の杉内俊哉も今季は股関節手術のリハビリに1年を費やしたが、来季は戻ってくる。 「彼らの活躍を見ていると、僕も、もう一花咲かせたいとも思うんだけどね」 トライアウトの前日には和田から「頑張れ!」という激励のメールをもらったという。 この日、トライアウトに参加した前横浜DeNAの久保裕也、長田秀一郎の2人も「松坂世代」。一人、また一人と、球界を盛り上げた世代の選手が球界を去っていく。 「まだ終わったわけじゃないけれど、ここ甲子園で高校時代から始まって、終わるのも甲子園。いい思い出にはなった」 新垣の目に光るものが見えた。 トライアウト終了後、ヤクルト以外の何人かの編成担当や、独立リーグの関係者にも話を聞いたが、新垣の評価は厳しいものだった。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)