水田に50匹以上のサル…出没相次ぎ住民困惑 「毎日出る。多い時は100匹」農業被害も 市が対策検討へ
長野県佐久市の山あいの地区で先月、水田に50匹を超えるサルが出没した様子が撮影されました。周辺ではここ数年、サルの群れが頻繁に現れるようになり、農業被害も確認されていて、市も今後、対策を検討することにしています。
冬の水田に50匹以上のサルの群れ 住民が撮影
山あいの水田地帯を走る車。水田にいたのは無数のサル。ゆうに50匹は超えています。 先月13日朝、佐久市望月地区の山あいで撮影された映像です。撮影した住民によりますと、数年前からサルの群れが頻繁に出没していると言います。
1日、NBSのカメラマンも動画が撮影された付近へ行ってみると、民家近くの空き地にサルの群れがいました。 草を摘んで食べたり、追いかけっこをしたり。民家の屋根に上って周囲を見渡すサルも。数は20匹以上とみられます。 近くの水田で、シカ対策用の囲いの支柱を直していた男性。サルに折られたと言います。
「毎日出る。多い時は100匹」農業被害も…
望月地区の住民: 「こういうところ上るから、支柱が傷んじゃう。細い所に乗られると、サルの重さで折れちゃう」 男性によりますと、群れは毎日のように出没していて、農作物被害も出ていると言います。 望月地区の住民: 「毎日出ます。夏も冬も。一番数が出た時は100匹くらい。もうすぐ収穫できるところを取られちゃう。もろこしも全部取られちゃう」
市が檻を設置し計57匹捕獲 その後も出没は続く
佐久市によりますと、望月地区にはもともとサルの群れが生息していますが、数年前から人里への出没が目立つようになったということです。 これまでに人的被害は確認されていませんが、農作物被害や民家の敷地への侵入は相次いでいて、住民から捕獲の要望も寄せられています。 要望を受けて4年前、地区内に2台の檻を設置。これまでに合わせて57匹を捕獲しました。 ただ、住民によりますと、サルの出没は続いていて、数も増えているということです。
望月地区の住民: 「人に慣れちゃってるね。逃げない。近づくと高いところへ行って様子見ている」 県環境保全研究所によりますと、撮影された群れは、水田の落ち穂を食べていたとみられ、「エサになるものがあると知って、人里に出没している可能性が高い」としています。 撮影した住民は、状況を知ってもらい対策に乗り出してほしいと市に映像を提供しました。 市は今後、住民と協議しながら、捕獲や被害防止の対策を検討することにしています。
長野放送