今年で2年目を迎えた新生飯能、延長戦の末に敗れ1月の雪辱ならず
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉西部支部予選第2日は5月3日、各組の2回戦14試合が行われた。A~G組の勝者7チームが、6月1日に開幕する県大会の出場権を獲得する。 【フォトギャラリー】ふじみ野 vs 飯能 B組はシード校のふじみ野が飯能を延長の末4-2で下し、5月5日の代表決定戦に進んだ。両校は関東高校大会予選出場が懸かった今年1月の新人大会西部支部予選2回戦でも顔を合わせ、この時もふじみ野が3-0で勝っている。 飯能高校は昨年4月、県教育委員会の『魅力ある県立高校づくり第1期実施方策』により、飯能高校と飯能南高校が統合。飯能は101年、飯能南は45年の歴史に幕を下ろし、“新生飯能高校”として新たな一歩を踏み出した。 かつては両校とも猛威を振るった時期がある。 飯能は1979年の全国高校選手権予選でベスト4入りし、77年のインターハイ予選でも準決勝まで進んだ。浦和南、児玉、武南、浦和市立(現市立浦和)が高い水準で王座を争っていた頃だ。 飯能南は2001年の全国高校選手権予選、1998年と03年のインターハイ予選でいずれも4強まで駆け上がった。浦和東が台頭し、大宮東や浦和学院、西武台、埼玉栄、伊奈学園、武南が有能な人材をそろえ、激しいタイトル争いを展開していた。 今年で2年目を迎えた新生飯能は、昨年度の第102回全国高校選手権県予選決勝トーナメントを経験したCB神翔真(2年)、武井俊輔と堀辺航太の両MFにFW高橋悠斗(以上3年)といった昨季からの主力4人が先発。 今大会1回戦では新座を8-1と圧倒したが、この日は立ち上がりからふじみ野に主導権を握られ、苦しい展開に追いやられていた。しかし前半32分、FW佐々木マックス オウス(3年)がヘッドでつないだボールを主将の高橋が右足で蹴り込み、首尾よく先制に成功。前半をリードして折り返した。 ふじみ野は後半1分、右MF山本雷(3年)が決めて同点にしたが、飯能は17分に再び佐々木のアシストから高橋が勝ち越し点をものにする。逃げ切りたかった飯能だが27分、右CKのこぼれ球からMF島侑也(3年)にゴールを割られ再度振り出しとなり、延長戦へもつれ込んだ。 飯能は後半途中から足をつる選手が続出し、チーム全体として活発な攻撃ができなくなり、延長でそこを突かれた。延長前半4分に右FKからCB中田輝(3年)に決勝点を奪われ、後半9分には島に決定的な4点目を決められ2-4で敗戦。1月の雪辱はならなかった。 旧飯能時代からコーチとして指導に当たり、統合した昨春から指揮を執る髙峯祐一郎監督は「負けたことは悔しいが、選手はやり切ってくれました」と労をねぎらった。練った戦略は「うちは3トップが強力なので、縦と両サイドを使う攻撃を考えました。長いボールを入れてこぼれ球を回収し、素早い攻めが持ち味ですが、その通りにできたと思う」とイレブンに優しい視線を送る。 2得点した主将の高橋も「延長は体力がきつくなりましたが、完ぺきに近いほどうちらしいサッカーができました」と満足そうだ。