ＵＳスチール株８％下落、日鉄の買収にトランプ氏「反対」で売り注文膨らむ…組合は買収阻止「歓迎」
３日のニューヨーク株式市場で、米鉄鋼大手ＵＳスチール株の終値は前日比８％下落した。米国のトランプ次期大統領が２日、日本製鉄による買収計画について「全面的に反対する」と表明したことが嫌気され、売り注文が膨らみ、一時１０％安となる場面もあった。
ＵＳスチールは鉄鋼需要の減少や高炉の老朽化などで、業績不振が深刻になっている。２０２４年７～９月期決算の売上高は前年同期比１３％減、最終利益は６０％減となり、市場では日鉄の傘下入りで高炉改修などが進むことへの期待が出ていた。
一方、トランプ氏が日鉄による買収の阻止を表明したことを受け、全米鉄鋼労働組合（ＵＳＷ）のデビッド・マッコール会長は３日、「歓迎する」との声明を発表した。ＵＳＷは雇用不安や安全保障への悪影響を理由に、当初から反対姿勢を示している。（ニューヨーク支局 小林泰裕、ワシントン支局 田中宏幸）
