五感を刺激!「三鷹天命反転住宅」のスゴい内部、床は凸凹、球体の部屋…驚きに満ちたフシギな間取り
思わず足を止めて眺めてしまうような、街中にある少し変わった形をした物件ーー。 いったいなぜ、そのような形になったのか。そこには、どんなドラマがあり、どのような生活が営まれているのか。 連載「『フシギな物件』のぞいて見てもいいですか?」では、有識者や不動産関係者に話を聞き、“不思議な物件 ”をめぐるさまざまな事情に迫る。 【32枚の写真を見る】「三鷹天命反転住宅」の図面と圧倒される建物内部の写真 ■街中に突如現れるカラフルな建物 東京都の多摩地域東部に位置する三鷹市。都心に出やすい立地である一方で、仙川や神田川などの川が流れ、井の頭公園や国立天文台・三鷹キャンパスといった自然豊かな場所も多い。2001年には「三鷹の森ジブリ美術館」が開館し、海外からも人が集まる街である。
そんな東京・三鷹市に、フシギな物件がある。 中央線の武蔵境駅からバスで8分ほど。大通りに面した敷地に、丸や四角の色鮮やかなブロックが積み上がった印象的な集合住宅があった。 見た目もフシギだが、扉を開けた部屋の内部は驚きと混乱で満ち溢れていた。 【32枚の写真を見る】「三鷹天命反転住宅」の図面と圧倒される建物内部の写真 この家の名は「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller(イン メモリー オブ ヘレン・ケラー)」。
「天命反転」とは、不可能だったことが可能になるかもしれない、天命を反転させることができるという考えだ。まさに天命反転を実践し、視力と聴力を失っても、人間の無限の可能性を切り開いたヘレン・ケラーを制作上のモデルにしている。 手がけたのは、ニューヨークを拠点に活動した芸術家の荒川修作さん(1936~2010年)と、荒川さんの公私にわたるパートナーで詩人のマドリン・ギンズさん(1941~2014年)。2005年に竣工し、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(株式会社コーデノロジスト)が管理・運営をしている。今回は支配人の松田剛佳さんを訪ねて、部屋を案内してもらった。