【全編】吉本の経営アドバイザリー委が初会合、川上座長が会見 反社との決別や契約問題を議論
吉本興業の経営改善案を助言する「経営アドバイザリー委員会」(座長・川上和久国際医療福祉大学教授)の第1回会合が8日午後、同社の東京本部で開かれた。会合終了後、川上座長が会見し、「反社会勢力との関わりを根絶するために、難しい問題だが不断の努力をしていくことが重要」「最低限の共同確認書を結んで、タレントが安心して活動できる体制を」などと語った。 【動画】吉本興業の経営アドバイザリー委が初会合、川上座長が会見 同委員会では、(1)反社会勢力の完全排除のために何を実行すべきか(2)所属タレントとの契約に関して(3)コンプライアンス体制の検討とあり方(4)コーポレート・ガバナンスのあり方、の4つのテーマについて議論する。吉本興業は社内プロジェクトチームで検討した経営改善に向けた素案を提出し、それを元に同委員会が社内改革へのアドバイスを行う。 川上座長によると、委員会メンバーは7人の各界有識者で構成。この日の会合には経済ジャーナリストの町田徹氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏を除く5人が出席し、(1)と(2)を中心に話し合った。 (1)については、反社会勢力や半グレ集団との決別へ向けた吉本興業の取り組みを聴取。具体的な方法については第2回以降の会合で議論していくとした。芸人との契約が結ばれていないことが問題になった(2)については、現在6000人いるといわれる所属芸人全員と口頭ではない「共同確認書」を交わし、それをベースに、個々の実情に合わせて「専属マネージメント契約」や日本の芸能界としては新しい形態という「専属エージェント契約」を結ぶ方針が同社から示された。 川上座長は「契約はいざという時にタレントを守るためのもの」と述べた上で、吉本興業のやり方にも理解を示した。「吉本の(芸人の)場合は給料をもらっている社員とは違う。6000人の中で、吉本の方で育成投資して、劇場で芸を磨いてくれ、と。でもノーギャラということもあるかもしれない。ある時ブレークしたらエージェント契約を結んで、ということもあるかもしれない。そうした吉本の育成のあり方は、いわば『吉本スタイル』で、古い部分があると考える人もあるかもしれない。吉本のタレントとしては認めるが、(売れるまで)給料を払うわけではない。そういう形を必ずしも否定するものではない。その中でコンプライアンスを遵守して、タレントが安心して活動できる体制をつくっていきましょう、ということを委員会で議論する」。
川上座長ら7名の委員は以下の通り。 ・川上和久氏(国際医療福祉大学教授) ・大仲土和弁護士(関西大学大学院法務研究科教授、元最高検察庁総務部長) ・久保博(株式会社読売巨人軍顧問、前同社会長・元社長) ・島根悟(一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター 理事、元警視庁副総監) ・町田徹(経済ジャーナリスト、ゆうちょ銀行社外取締役、ノンフィクション作家) ・三浦瑠麗(国際政治学者、山猫総合研究所代表) ・山田秀雄 (弁護士、元日本弁護士連合会副会長、元第二東京弁護士会会長)