ジュニア敵なしの16歳島田麻央が2位、元気よく舞う…浅田真央さんらの記録には届かず
フィギュアスケート・全日本選手権最終日(22日・大阪東和薬品ラクタブドーム)――女子フリーは、ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(シスメックス)が149・76点で1位となり、合計228・68点で4年連続5度目の優勝を果たした。坂本は来年3月の世界選手権(米ボストン)代表に内定した。4連覇は2014~17年の宮原知子さん以来。SP2位で16歳の島田麻央(木下グループ)が、合計219・00点で2位。SP4位の樋口新葉(ノエビア)が3位に入った。4位は千葉百音(木下アカデミー)、5位は松生理乃(中京大)。 【写真】ペアで優勝した三浦璃来(上)、木原龍一組のフリーの演技
16歳の島田が攻めの姿勢を貫き、「自分に打ち勝つことができた」と笑顔を見せた。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、着氷したものの回転不足の判定。続く4回転トウループは転倒したが、崩れなかった。課題だった後半の3回転ルッツは両手を上げて決め、感情あふれるステップで会場を魅了した。
ジュニアでは敵なしの強さを見せるが、勝ち続けることが重圧になってきた。「最初は『どんな試合だろう』と楽しんでいけたけど、次第に『こういう演技をしなければいけない』と思ってしまう」。動きが硬くなり、得意のジャンプでミスが目立つようになった。
シニア勢を追う立場の今大会は、心が解放された。「スケーティングや表現力では(シニア勢に)勝てない」と冷静に分析しつつ、「ジュニアらしく元気よく」氷上を舞った。
浅田真央さんら偉大な先輩が成し遂げた16歳での初優勝には届かなかったが、自身の最高成績となる2位。理想とする「ここぞの時に力を発揮できる」スケーターへ、着実に近づいている。(岡田浩幸)
【女子】▽最終成績 〈1〉坂本228・68点〈2〉島田219・00〈3〉樋口206・40