今回のビットコイン半減期、これまでとは本当に違う──レアブロックの争奪戦も【Future of Bitcoin】
Runes
半減期はコミュニティにとって記念すべき瞬間であり、多くの企業が半減期に合わせたサービスの発表や開始を計画している。その点では今年も同じだが、今回異なっているのは、発表されるものの1つが、ビットコインのもう1つの新しいトークンプリミティブ(より複雑なアルゴリズムやプロトコルを開発するための基盤となるもの)だという点だ。Ordinalsを手がけたケイシー・ロダーモー(Casey Rodarmor)氏による「Runes」と呼ばれる最新のプロトコルデザインだ。 簡単に言うと、Runesはビットコインベースのトークンをローンチする方法だ(イーサリアムブロックチェーン上でローンチされるアルトコインと似たようなもの)。Ordinalsの成功を受け、このプロトコルには多くの注目が集まっており、すでに多くのプロジェクトが半減期ブロックの最初のサトシ上にRunesトークンをローンチする意向を表明している。
「すべての再編成の源」
さらに、この半減期ブロックは潜在的に非常に価値があるため、あらゆる手段を使ってこのブロックを獲得しようとするマイナーたちの競争が激しくなるとトリスタン氏は予測している。 「ブロック84万は、それ以前のどのブロックよりも少なくとも2桁以上大きな価値がある。このようなことは過去に一度も起こったことがなく、マイナーの目の前にこのような大金の種をぶら下げることで、彼らが通常のルールに従って行動することを極めて困難にするだろう」とトリスタン氏は指摘する。 つまり、マイナーはマイナー抽出可能価値(MEV:miner extractable value)として知られるプロセスで、ブロックを獲得するために他のマイナーに対してフロントランニングを仕掛ける可能性がある。 チェーンの「再編成(reorg)」の可能性を予測しているのはトリスタン氏だけではない。トランザクション・スナイピング(最も好都合なタイミングでトランザクションを実行すること)のアイデアは、最近ウィル・フォックスリー(Will Foxley)氏のポッドキャスト「Mining Pod」でも取り上げられ、問題の「レアサトシ」の価値は、より控えめな10BTCと評価された。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Zhivko Minkov/Unsplash|原文:The Bitcoin Halving Really Is Different This Time
CoinDesk Japan 編集部