今回のビットコイン半減期、これまでとは本当に違う──レアブロックの争奪戦も【Future of Bitcoin】
暗号資産(仮想通貨)について「今回は違う」と心から言えることはあまりない。しかし、来月に予定されているビットコイン半減期は今回は本当に違う。 ビットコインの歴史に詳しいピート・リゾ(Pete Rizzo)氏が最近指摘したように、半減期の前にビットコイン(BTC)が上昇したのは今回が初めてで、過去3回(2020年、2016年、2012年)の半減期はすべて、ビットコイン価格が大きく上昇する前に起きた。 ビットコイン半減期が価格にどのような影響を与えるか、誰も確かなことは言えない。テクニカル分析の観点からも未知の領域にいる。 半減期がビットコインの上昇を加速させるのか、それとも終わらせるのかは歴史的なことであり、ビットコインが半減期と結びついた強気と弱気の4年の市場サイクルに閉じ込められているという一般的な考え方への挑戦でもある。 しかし他にもいくつかの点で、4回目となる今回のビットコイン半減期は、すでに前例のないものとなっている。
取引手数料
今回の半減期は、ビットコイン価格が先立って上昇した初の半減期であるだけでなく、取引手数料がビットコインマイナーの収益の大部分を占める初の半減期でもある。 取引手数料はネットワークの使用量と連動しており、ユーザーがチェーン上に任意のデータを記載して、NFTのような資産を作ることができるOrdinalsプロトコルがローンチされて以来、ネットワークの使用量は大幅に増加している。 これはビットコイン価格について何かを語るわけではないが、半減期後、どれだけの数の、そしてどのような種類のマイニング機器が活動を続けるかに影響を与える可能性がある。半減期は通常、ブロック報酬が半分になった後、もはや稼動させても採算が合わない時代遅れのASICを一掃する山火事のようなものだ。
これまでで最も価値のあるブロック?
半減期はブロック高(ブロックチェーンにハッシュ化されたブロック数)が84万に達したときに起こり、すでに多くの人たちは、そのブロックがこれまでにマイニングされたブロックの中で最も価値あるブロックになると予測している。 これは上記と関連している。Ordinalsは、個々のサトシ(BTCの最小単位)に通し番号を割り当てることで機能し、ビットコインのような交換可能な資産を、来歴、アイデンティティ、希少性を持つ、NFTのようなものに変える。 Ordinalsプロジェクトを追跡するOrdiscan.comの創設者トリスタン(Tristan)氏は、これらの「レアサトシ」コレクターは、ブロック84万のデータの評価額を5000万ドル(約75億円、1ドル150円換算)と予測している。 難易度調整や半減期のようなビットコインプロトコルのイベントに価値を割り当てる「Rodarmor Rarity」システムによれば、このブロックの最初のサトシだけでも100万ドル以上の価値があると、トリスタン氏はブログに書いている。