「生活保護」を受けている30代女性の知人。まだ働けると思うのですが、受給の条件は何でしょうか?
日本には、経済的に困窮している人が一定の要件を満たすことで利用できる「生活保護制度」があります。「生活保護」と聞くと、病気やけがで働くことが困難な人が利用するイメージがあるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。 「知人が30代でまだ働けるように見えるのに、生活保護を受給できているのはなぜなのか?」などと感じることもあるのではないでしょうか。 本記事では、生活保護制度とはどのようなものなのかを、受給要件とあわせてご紹介します。
生活保護制度とは?
生活保護制度とは、国民の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための制度です。同時に、保護対象者の自立の助長を図ることを目的としており、困窮の程度に応じて必要な保護を行います。生活保護の種類には、以下のようなものがあります。 ・生活扶助:食費や被服費・光熱費など日常生活に必要な費用 ・住宅扶助:アパートなどの家賃 ・教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費 ・医療扶助:医療サービスを受けるために必要な費用 ・介護扶助:介護サービスを受けるために必要な費用 ・出産扶助:出産に必要な費用 ・生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用 ・葬祭扶助:葬祭に必要な費用
生活保護の受給条件とは?
生活保護の受給対象になるには、収入が最低生活費に満たないことが条件です。 最低生活費とは世帯ごとの最低生活に必要な費用のことで、厚生労働省が定めた方法で計算します。収入がまったくない場合は最低生活費が全額そのまま支給され、収入がある場合は最低生活費から収入を差し引いた分の金額が保護費として支給される仕組みです。 ただし、生活保護の受給を希望するにあたって、以下のような条件も確認しておかなければなりません。 ・不動産や土地などを所有している場合は売却して生活費に充てる ・働くことが可能な場合は能力に応じて働く ・年金や手当など、受けられる給付があれば活用する ・親族などから援助を受けられる場合は受ける