格別な楽しみが待っている! 〈トヨタ〉GRヤリス
近頃ちょいちょい、こんな声を聞く。「ちょっと日常が楽しくなるような、小さくてスポーティなMT車がガレージに1台あったら、嬉しいよね」。ハイ、わかります。いくら2ペダルのスポーツモデルが高性能化しても、自分でシフトを操作する歓びは格別なもの。さらにソレが小回りの効く“自分だけの”ホットハッチだったりしたら、もう最高! さらに、あまりメンテナンスが必要ない、信頼性の高いメカだったら……。そんなクルマ、実はあります。〈トヨタ〉GRヤリスがこのたび大幅なマイナーチェンジを受け、内外装ともに装い新たに、さらに進化して生まれ変わったのだ。
3年前に発売されたGRヤリス。通常のヤリスと名前こそ同じながらも、3ドアのハッチバックスタイル然り、グリルの形状然りと、尖った個性を持つスポーツコンパクトハッチだ。同社のモータースポーツ部門を表す“GR”が冠されるとおり、GRヤリスの頂点にあるのは、WRCに参戦する競技車両となっている。GRはWRCのみならず、WEC、そしてスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本ラリーやラリーチャレンジなど、多岐にわたる参戦の現場で、クルマを鍛え続けているのだ。 今回のビッグマイナーチェンジでは、この競技由来の技術や知見・ノウハウをバンバン導入。そう、実に太っ腹で信じられないほど大胆な内容になっているのだ。
まず、エクステリアではバンパーを3分割にし、グリルはスチール製に変わった。競技でダメージを負ったとき、それぞれのパーツを素早く交換出来るようにという理由だ。また、リアもライトが車両真ん中にまで貫かれたリッチな雰囲気に。このライトのユニットの中に上下に分散していたランプ類を集約することで、こちらもクラッシュのメンテナンス性向上に貢献している。
インテリアでも、インパネ周りが1枚のパネルに埋め込まれたかのような、迫力ある意匠に生まれ変わった。“競技中でもハザードやインジケータ類が視認しやすいように”というのは、競技中に一般道走行が組み込まれる、ラリー競技に出続けているGRだからこそのノウハウ。ナビも上点を下げ、ルームミラーも上方に移動。かなりクリアな視界を実現している。