獅司はレスリングスタイルから脱却したウクライナ人関取第1号 両親には欠かさず仕送りの一面も
【大相撲 人気力士丸わかり名鑑】#92 獅司 大(27歳/雷部屋・前頭16枚目) ◇ ◇ ◇ 【写真】白熊優太は後輩・大の里を支えるスイーツ名人…中学時代から相撲留学、両親には敬語 27歳と決して若くはない。しかし、相撲をまともに始めたのが21歳なのだから、まだまだ伸びしろはあるのではないか。 ウクライナでは当初レスリングに熱中し、相撲と出合ったのは15歳。その後は国際大会などで実績を重ねた。 「ただ、当時の獅司は相撲技術なんて皆無。上背と腕力だけで勝っていたようなもの。本格的に相撲の稽古を始めたのは来日した2018年からです」(アマ相撲関係者) 前相撲でデビューし、幕下までは順調だったものの、幕下上位の壁にはね返され続けた。 「当時の獅司は低い姿勢で両腕を前に突き出し、頭をつける……まさにレスリングのフリースタイルさながらでしたからね。タイミングを見て上からはたいたり、肩越しにまわしを掴むなどしていたが、体格を生かしていたとは言い難い。ただ、最近は突っ張りも覚え、徐々に内容もよくなってきた。まだ粗削りだが、技を磨き、スピードもつけば化ける可能性はあります」(若手親方) 来日7年目だが、日本語の習得には苦戦中。兄弟子が「通訳」を務め、難しい質問になると獅司が、「トランスレーター(通訳)!」と助けを求めるが……。 「兄弟子だって日本語しかしゃべれませんから。例えば『今日で勝ち越しが決まったが、今の心境は?』という質問だと、兄弟子が『今日、勝った。気持ちは?』など極力易しい日本語で聞き直す。それに『うれシシ』など、しこ名をもじって返答する」(前出の親方) ウクライナの両親には欠かさず仕送りをしている獅司。ウクライナ人幕内力士第1号として、どこまで出世できるか。 ▽獅司大(しし・まさる) ●本名はソコロフスキー・セルギイ ●1997年ウクライナ・ザポロジエ出身 ●最高位は現在 ●寿司と日本酒が好物