2連覇を目指す湘南工大附、昨年ベスト8の慶應義塾に6発大勝
令和6年度関東高校サッカー大会神奈川予選は4月28日、日産フィールド小机などで準々決勝4試合が行われ、5月5日の準決勝は日大藤沢-東海大相模、横浜創英-湘南工大附の顔合わせとなった。勝者2校が本大会(5月25~27日・千葉県)の出場権を獲得する。 【フォトギャラリー】慶應義塾 vs 湘南工大附 K1(1部)リーグ同士の対戦は、2連覇を目指す湘南工大附が、昨年ベスト8の慶應義塾に6-1で大勝した。 湘南工大附はボランチで主将の佐藤颯人(3年)が旺盛にボールを引き出し、パスとドリブルを有効に使って攻撃の起点となった。前半2分と4分、FW荻野寛太とFW長野里久(ともに3年)がそれぞれ惜しいシュートを打ち、5分には荻野の右クロスから長野が決定的なヘディングシュートを放ったが、DFにブロックされ得点できなかった。 先取点は前半13分。荻野の蹴ったFKをボランチの太田遥斗(3年)が合わせてネットを揺らした。20分には荻野の左FKがバーに当たり、こぼれ球を拾ったDF武井友希(3年)がペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。荻野がこれを確実に沈めて決勝点とした。 慶応義塾は主将で中央FWの阿部雄大(3年)がポスト役のほか、守備の背後を突く動きで得点を狙った。左の矢谷凛之介(3年)、右の由井要(2年)の両ウイングも縦に進出し、スペースを突こうとする積極姿勢を見せた。少ないチャンスを得点に結び付けたのが前半38分だった。4分前に交代出場したばかりのFW藤田悠希(3年)が、目の覚めるような鮮やかな縦パスを通すと、右SB黒田英一(3年)が中央からスピーディーに運び、正確なシュートをゴール右隅に蹴り込んだ。逆襲・速攻からの見事な展開だった。 これで1点差となって前半を折り返し、勝負どころの後半を迎えた。 しかし湘南工大附が前線から厳しいプレスを掛け、相手のミスを誘ってマイボールにする流れは後半も変わらなかった。しっかりとボールを握り、荻野が切れ味鋭いドリブルで慶応義塾の守備陣を混乱させる。 後半15分、荻野の蹴ったCKから太田が蹴り込み、23分には長野が右から持ち込んで上げたボールがオウンゴールとなって4点目。なおも攻撃の手を緩めず、アディショナルタイムに2点を追加した。 まずFW成田梨甫(3年)のパスを受けた佐藤が豪快に決め、数分後にも後半37分から出場していたFW出田海空(3年)が続いて大量点を締めくくった。 慶応義塾は後半11分、左からボールをつないでビッグチャンスを築き、由井が決定的なシュートを打ったが、決められなかった。シュートは前後半で1本ずつ。技術が高く、速さのある好選手を抱えたが、相手の重圧と出足の良さに思った通りの攻撃ができず完敗した。 チームに携わって26年目を迎えた湘南工大附の室井雅志監督は、「慶応さんにアグレッシブなプレーをさせたくなかった。これだけ暑い中での連戦になったが、選手はよくやってくれました」と完勝を喜んだ。ただ前半終了近くの失点については、「しっかり締めて2-0で終わりたかったが、(守備の)ポジショニングも含めてあのへんを改善できればと思います」と注文も忘れなかった。