「すぐそこのマンションよ」「役所はそんな許可出してないって言ってたぞ」…ヤバすぎる《嘘つきドライバー》が多すぎる現実、78歳シニア交通誘導員の「悲哀」
警察庁が今年7月に発表した「警備業の概況」によれば、全国の警備員の数は過去最高の58万4868人(2023年12月末時点)。このうち、70歳以上の働き手は最多の20.1%(11万7411人)を占めている。 【マンガ】「嘘つきドライバー」に日々悩まされる「78歳シニア交通誘導員の悲哀」 そんな高齢化が進む警備業のなかで主流をなしているのが、工事現場で誘導灯を振り、歩行者やクルマを案内する交通誘導警備員(以下、交通誘導員)だ。 68歳のときに交通誘導員として働き始めた柏耕一さんが、その内情を赤裸々に語った『交通誘導員ヨレヨレ日記』はベストセラーに。この話題書の漫画版『交通誘導員ヨレヨレ漫画日記』(漫画:植木勇、脚本:堀田孝之)も根強い人気を誇っている。 78歳を迎えたいまでも現役で働く柏さんの話を交えつつ、今回は同書から交通誘導員が頭を抱える「嘘つきドライバー」にまつわるエピソードを紹介する。 前回記事〈工事現場でよく見かける「交通誘導員」はいくら稼げる?78歳の現役シニア誘導員が仰天した「最高月収」〉より続く。
「うるせえ!文句あっか!」
工事現場で交通誘導をしているとドライバーに嘘をつかれることが多いという。 一般的に道路工事は朝9時にスタートする。通行止めの看板などを立てるのも同時刻だ。諸事情で早く工事を始めなければならない場合、役所か警察に許可を得なければならない。 この日の現場は、必要な手続きを踏んだ上で、8時に工事がスタートした。 すると、まもなく1台のトラックがやってきて、柏さんに文句を言ってきた。 「おいおい、この道入れないのかよ。9時前の工事は禁止じゃないのか?」 当然許可は取ってある。柏さんがその旨を伝えると、トラックは不服そうに走り去っていった。しかし、これで終わりではなかった。15分後、さきほどのトラックが再び通行止めの前までやってきたのだ。 「役所に行ったらそんな許可出してないと言っていたぞ」 一体、どういうことなのか……。戸惑いながらも現場監督に確認すると、やはり許可は取ってあるという。 つまり、さきほどの腹いせでドライバーが嘘をついたのだ。 「うるせえ!俺が役所だ!文句あっか!」 捨て台詞を吐いて、トラックは逃げるように走り去っていった。 別のドライバーの嘘もなかなか悪質だ。
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