老人ホーム利用者に虐待 行政指導後も継続、隠蔽も 滋賀・野洲
滋賀県は野洲市の「特別養護老人ホーム野洲篠原すみれ園」で、利用者の男女12人に虐待をしたとして、介護保険法に基づき同施設などを、5月1日から1年間の新規利用者受け入れ停止の処分とした。 【写真】「朝から妄想がひどい」「午前3時にオシッコ。もらす」ヤングケアラーの日記 県によると、同施設は昨年4月、暴言での虐待があったとして同市から行政指導を受けたにもかかわらず、同10月まで虐待を続けた。介護職員3人が顔や頭をたたき、内出血を負わせたり、介護をしてほしいという要望に対し、「あなたの体が悪い」といった暴言を吐いたりなどの虐待があった。さらに利用者の家族には、けがについて虚偽の説明をして虐待を隠蔽(いんぺい)していたという。 県は同市から1月に虐待の報告を受け、2月にかけて監査した。行政指導後も虐待が続いたことや、前施設長など幹部が隠蔽に関わっていた点を悪質と捉え、処分の期間を設定したという。 加害職員は「(介助が)思い通りにいかず、感情のコントロールができなかった。余裕のない職場環境だった」などと話しているという。【飯塚りりん】