【日本市況】円下落、石破首相発言で早期利上げ観測後退-株は大幅高
(ブルームバーグ): 3日の日本市場は円が対ドルで下落。追加利上げに後ろ向きな石破茂首相の発言を受けた円売りが続いている。円安を受けて日本株は大幅高。
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円相場は一時1ドル=147円台前半と8月以来の安値を付けた。石破首相は日本銀行の植田和男総裁との会談後に「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と記者団に2日語った。米ADP民間雇用者数が予想を上回る増加となり米金利が上昇、米国市場で円安が加速した。日本市場でもこの流れが続き、円安で輸出関連株が買われて日経平均株価は一時1000円超の上げとなった。債券は下落した。
石破氏が自民党総裁に選出された際に円は急騰、追加利上げに比較的前向きだとみられていた石破氏の利上げに後ろ向きな発言の影響は大きい。日本株とは反対に、中国人民銀行(中央銀行)の景気刺激策を受けて急上昇が続いていた香港株はこの日大幅安に転じている。市場関係者の注目は4日の米雇用統計を含む指標に移る。
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みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは石破首相の発言について、低い内閣支持率でスタートし衆院選に向かうことになり、「少しでもネガティブな要素を減らす、きつい言い方をすれば部分的には窮余の一策という面もあろう」と指摘した。日銀の年内といった早期追加利上げの可能性は政治の面から明らかに低下したとして、来夏にかけても経済に加えて政治の注視が欠かせないと予想した。
為替
円相場は一時1ドル=147円台前半と8月以来の水準に下落した。石破首相の早期追加利上げに対する後ろ向きな発言や、堅調な米雇用指標を背景に円売り・ドル買いが進んだ。
午後に入ると下げ幅を縮小、1ドル=146円半ばで推移している。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストはドル・円相場について「石破首相の発言だけでなく米ADP民間雇用統計が良かったので踏み上げが加速したが、ここから上にドルのロング(買い)で攻めていく環境にはない」と指摘。「10月日銀会合で利上げできないとしても12月は考えられる。円安となれば利上げに向けた動きも出てくる可能性がある」と述べた。