「1800万円の赤字見込み」で花火大会を開催できず 協賛企業減、警備の人件費増、花火代の値上げ…開催費用の確保が困難に
長野県の諏訪湖畔で例年9月に開いている「全国新作花火競技大会」の実行委員会・運営委員会は9日、今年の大会を中止すると決めた。開催費用などの確保が難しいためで、中止は2020年以降、新型コロナの影響による中止も含めて5年連続となる。来年の大会は「開催も選択肢の一つ」として、新作花火検討委員会で検討する方針。 【写真】水面で半円状に花火が開く「水上スターマイン」
諏訪市役所で実行委・運営委の初会合を開き、事務局の諏訪観光協会が今年の大会について「開催費用および運営態勢の確保が困難なことから開催は見送る」と説明。会合出席者の承認を得た。 事務局によると、19年大会の協賛企業を対象に行った昨年8月のアンケートで、回答した21社のうち8社が協賛可能と答えた一方、他は協賛できなかったり、協賛金額の見直しを求めたりした。試算では花火代や警備のための人件費などが上昇し「約1800万円の赤字になる」との見通しが示された。 予算書案には大会実施費用は盛らず、大会時の案内に使う看板保管料など26万円余を計上した。
この日の会合では、出席者から「旧来の方法にこだわらず、ゼロベースで考え、何らかの形で継続してほしい」との要望が出された。昨年は新作花火競技大会の代替イベントとして、諏訪観光協会などが9~10月に「諏訪湖オータム花火」を実施した。